2014 Fiscal Year Research-status Report
児童の複言語能力育成に必要となる教員の資質能力の開発に向けた実践的研究
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25381258
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
吉村 雅仁 奈良教育大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (20201064)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 複言語主義 / 多言語活動 / 外国語活動 / 教員研修 / 国際理解教育 / 言語意識 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、小学校教員を中心とする教育実践者の知識、意識、技能についての検討及び複言語主義に関わる研修や研究会を通じて彼らの意識などの変容を図ることを目標とした活動を行った。実績としては次の3点が挙げられる。 (1)言語というものを広く捉える姿勢が共有されつつある国際理解教育学会の年次大会(6月)において、「ことばと国際理解教育」と題するシンポジウムを企画・開催した。このシンポジウムでは、当該学会内で「ことば」の教育を中心的に推進してきた山西優二氏(早稲田大学)、欧州複言語主義に基づく多言語教育の日本への導入を図ろうとする古石篤子氏(慶應大学)、欧州ギリシャにおいて複言語祭などのノンフォーマル教育を企画するアルギロ・ムチドゥ氏(アリストテレス大学)をシンポジストとして、複言語主義に基づく外国語教育の意義、課題などを整理しつつ、今後日本における導入の可能性を探り、参加している研究者のみならず小中高教員の意識変容を図った。 (2)上記アルギロ・ムチドゥ氏と共に、EDiLiC国際年次大会(7月)において、多言語主義のための教員研修の日本とギリシャの比較研究について発表を行い、さらに学会での様々な質問やコメントも考慮しながら日本における教員研修の内容や方法を検討した。 (3)年末には、複言語主義に基づく教員研修の経験があるクリスティーヌ・エロー氏(ストラスブール大学)を招聘し、日本の小学校教員や教員志望学生を対象とする研修を計画していたが、エロー氏の個人的事情で延期せざるを得なくなった。この研修によって小学校教員等の知識や意識の変容を測定し、研修内容や方法をさらに検討する必要があるため、次年度にこの研修にかかる費用を持ち越すこととし、その時期や内容の打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フランスストラスブール大学から研究協力者を招聘し、日本の小学校教員、教員志望学生対象に複言語主義に関わる教員研修を実施する予定であったが、研究協力者の事情により延期せざるを得なくなったため、やや計画が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であり、今年度延期となった教員研修を、次年度実施する予定の研修と組み合わせ、時期や招聘講師を再度検討する。現時点では招聘予定の研究協力者が予定を調整中であり、持ち越した予算を考えれば、招聘者を2名とし、さらに充実した研修を実施することも可能である。 仮に、招聘講師の都合や研修対象とする学校教員などの予定が合わず、研修の実施自体が困難となりそうな場合は、研究自体の延長、再申請等も考慮する。
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Causes of Carryover |
研究実績の概要でも記したとおり,当初計画していた小学校教員及び教員志望学生対象の複言語主義に関する職員研修が,招聘講師の個人的事情により延期となり,想定していた旅費や必要物品費等が未使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には,欧州から研究協力者を招聘してシンポジウムまたは研究会をする予定であるが,今年度の職員研修延期を考慮し,招聘者を複数名として,職員研修を中心に予算を再配分したい。
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Research Products
(5 results)