2014 Fiscal Year Research-status Report
数学学習を取り入れたプログラミング学習支援システムの開発
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25381285
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
下郡 啓夫 函館工業高等専門学校, 一般科目理数系, 准教授 (00636392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 恵 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (30303324)
大場 みち子 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (30588223)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プログラミング能力 / ブレンディッド学習 / 数学学習 / ポテンシャルレスポンスツリー / Moodle / 論理的文章作成力 |
Outline of Annual Research Achievements |
数学的思考力を研くことでプログラミング能力が向上できるとの着想から,プログラミングの思考過程と数学における,問題解決過程に相関があるとの仮説を立て,プログラミング能力の向上のための数学学習材の開発を目指している。 昨年度Processing言語の指導項目のうち,学生の力が顕著に低く表れていた,配列及び関数定義について,分析を行ったが,そこから,プログラミングの部分的全体的点検への意識及び,プログラミング作成における,問題理解過程,翻訳過程,具体的プログラミング過程,実行・修正過程といった各思考過程の内容連関の意識の低さがあることを見出した. その解決策として,各思考過程の実行状況をMoodleのポテンシャル・レスポンス・ツリーを用いて判断し,学習者にフィードバックする仕組みを考えた.また,プログラム構文の理解を問う設問と,プログラムの組み立てを問う問題との間で,吹き出しの設問を準備し,プログラミング思考過程をメタ認知する力を育成するという発想を得た. また,プログラミングを行っている過程の動画を収集し,学習者に応じた動画を閲覧させた後に,実際のプログラミングを行わせた.これは,プログラムが作られていく過程を学習者に示すことによって,表面的ではないプログラミングの理解と学習が支援できるのではないか,との考えのもとで行っているが,実際一定の効果を得らえることが分かった. また本研究では,数学学習材の開発により,プログラミング能力向上を目指すだけでなく,論理的文章作成力も同時に養成できると考えている.その仮説を実証すべく,プログラミング能力と論理的思考力との相関を分析したところ,数学学習材の開発によりプログラミング能力,論理的文章力を同時に育成するためには,論理力及び言語能力の育成が必要であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の構想段階で作っていた,数学文章題解決過程とプログラミング解決過程の相関モデルからMoodleのレスポンスツリーに着目して,各作業過程の評価をフィードバックするという具体的手法にまでいきついた.また,プログラミングの思考過程を動画で見せたり,吹き出しで考えさせるなど,学習者のメタ認知の部分まで踏み込めた.さらに,本研究の発展部分として,数学と論理的文章作成との相関まで展開を広げていくことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の方向性として,上記プログラミングの思考過程をメタ認知させるe-learningの構築を目指す.また,数学文章題の思考過程と論理的文章作成能力との相関をさらに掘り下げて分析しながら,プログラミング能力で求められる力との関係性を見出し,共通項から,様々な能力へと転移させる数学的思考の本質部分に迫りたい.
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Causes of Carryover |
本年度は,昨年度購入していなかった統計ソフトSPSSを購入,本研究のソフトウェア成果物となる高等教育機関のe-Leaningシステムおよび学習モデルとコンテンツ開発をマルチデバイス対応にするために、実験用としてタブレットを購入しており,必要なものは購入している.その上で次年度使用額が生じたのは,バックアップメディアの購入をしていないこと,また本年度は,外部への研究調査を行っていないためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究をまとめるにあたり,外部研究者への研究調査(助言をいただく)を行うとともに,プログラミングのメタ認知に関係する研究図書などの購入などに充てる.
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Research Products
(4 results)