2013 Fiscal Year Research-status Report
小1プロブレムを防止する幼児期からの移行支援プログラムの開発
Project/Area Number |
25381292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三浦 光哉 山形大学, 教育文化学部, 教授 (10344780)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 小1プロブレム / 保育園 / 幼稚園 / 発達障害児 / 移行支援プログラム / 個別の教育支援計画 / 個別の指導計画 |
Research Abstract |
本研究は、保育園・幼稚園の年長から小学校1年生に移行する段階の幼児児童の問題行動の改善や障害につながる予防をするためのプログラム開発である。 具体的な取組は、①大学、保育園、幼稚園とで「小学校移行支援研究プロジェクト委員会を設置する、②山形県内の保育園・幼稚園の6園程度を研究対象モデル園とする、③「特別支援教育研修講座」は、年間12時間程度の内容を考案し実施する、④全員の特別支援児に対して、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」「個別の移行支援計画」を考案して適用する、⑤小学校の教科学習や学習環境と関連するような新たな保育活動を先行研究や外国の事例を参考としながら考案して適用する、の5点である。 1年次では、以下のような研究実績が得られた。 ①大学、保育園、幼稚園とで「小学校移行支援研究プロジェクト委員会を設置することについては、山形大学(特別支援教育臨床科学研究所)と、7つの幼稚園・保育園(山形大学附属幼稚園、鶴岡市朝日保育園、鶴岡市三瀬保育園、鶴岡市西郷幼稚園、最上町あたごこども園、戸沢村戸沢保育園、岐阜県各務原市那加幼稚園)とで小学校移行支援研究プロジェクト委員会を組織し、その中に、「プログラム開発チーム」と「指導実践チーム」を設置した。②のモデル園については、上記に示した7つの園を研究対象とした。また、園児の成果を見るために、園児が進学する7つの小学校とも連携協力を得ることができた。③の「特別支援教育研修講座」については、15時間の研修プログラムを開発し実施した。④については、特別支援児を選定するにとどまり、作成は次年度に持ち越すこととなった。⑤については、デンマーク国の「0学年」制度を視察して移行支援プログラムの参考とした。デンマークで実施している移行プログラムは、「特別支援教育研修講座」に反映した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を推進するために、大学、保育園、幼稚園とで「小学校移行支援研究プロジェクト委員会を設置することや6園程度を「研究対象モデル園」に選定することについては、予定通り委員会を設置し、7園のモデル園の協力を得ることができた。1園が増えたのは、県外(岐阜県)からの協力の申し出があったためである。このことは、山形県だけではなく、全国に波及していくための足がかりとなった。 また、各モデル園のある自治体からは、地域で取り組んでいる幼児期からの特別支援教育システム構築について、「日本特殊教育学会」で研究成果(中間発表)として発信することができた。 さらに、デンマーク国など世界の先進地域での取組も視察することができ、それが「保育プログラム」や「特別支援教育研修講座」に反映させることができた。 このように、1年次に計画していたことが、全てにおいて予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の5つの具体的な取組のうち、①大学、保育園、幼稚園とで「小学校移行支援研究プロジェクト委員会を設置する、②山形県内の保育園・幼稚園の6園程度を研究対象モデル園とする、③「特別支援教育研修講座」の年間12時間程度の内容を考案し実施する、の3つは目標達成した。 2年次以降は、以下のことに取り組む。 ④全員の特別支援児に対して、「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」「個別の移行支援計画」を考案して適用することについては、1年次に特別支援児を選定したので、この園児全員に対して支援計画を作成していく。また、⑤小学校の教科学習や学習環境と関連するような新たな保育活動の開発については、7つのモデル園において、年長児の担任と連携しながら保育活動プログラムを開発していく。そして、この保育活動プログラムが効果的となっているかについて、進学先の小学校1年生で、以降支援も含めてその成果を検討していく。 その他、1年次に取り組んだ「特別支援教育研修講座」は、さらに精度を上げるために2年次でも実施して、受講生にアンケートを取るなどして改善を図っていく。また、「保育プログラム」の内容も、アメリカなどの先進研究を参考にしながら改善を図っていく。
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Research Products
(3 results)