2014 Fiscal Year Research-status Report
医療を学ぶ視覚障害学生のための携帯タブレット端末用新教材の開発と有用性の検討
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25381297
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
大越 教夫 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (80203751)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 視覚障害教育 / 医療教育 / タブレット端末 / ボカロネット / 鍼灸学 / 理学療法学 / 医学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.医療を学ぶ視覚障害学生用の授業教材の作成:「神経内科学」,「病理学」,「臨床病態学」,「臨床医学総論」の授業に使用できるPowerPoint教材を視覚障害学生でも使用できるようにイラストやCT,MRIなどの資料を加工して,点字,触図,拡大図などに調整して作成した。前年度の内容をさらに充実を図った。 2.自習用教材の作成:上記授業用教材に加えて,自習用教材として練習問題とその解説も作成し,スクリーンリーダーによる音声対応が可能なように工夫し,内容的にも練習問題の解説の充実を図った。 3.視覚障害学生用ドットコード,音声ペンによる音声解説自習教材の開発:点字使用者用(点字,触図),弱視者用(墨字,図表)の配布資料に音声情報に対応したドットコード(バーコード),DAISY音声番号を付加した。授業用教材の触図や図表の解説をUDペン,DAISY用の音声情報として利用できるように文字原稿を朗読あるいは人工音声変換にて音声ファイルを作成した。前年度に比して内容の充実を図った。 4.バーチャルアイドルによる解説や歌による新規の教材のプロトタイプの作成:作曲は自動作曲オンラインソフト、「VOCALOID」による楽曲制作をさまざまな機能で支援する会員制 クラウドサービス『ボカロネット』(Yamaha)を利用した。理由は,市販の自動作曲ソフトに比較して,使用法が平易でだれでも利用可能なこと,「VOCALOID」にて編集も可能なことなど,著作権の問題などもあり,今後普及させるためには最も良いと考えられる点である。 5.歌詞の作成:各教材の主要部分の作成にきわめて多くの時間を要し,現時点では「病理学」,「神経内科学」のみ作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.医療を学ぶ視覚障害学生用の授業教材の作成:「神経内科学」,「病理学」,「臨床病態学」,「臨床医学総論」の授業に使用できるPowerPoint教材は完成し,内容の充実を図るために改訂作業を実施している。 2.自習用教材の作成:自習用教材も完成しており,内容の充実を図るために改訂作業を実施している。 3.視覚障害学生用ドットコード,音声ペンによる音声解説自習教材の開発:「解剖学」の骨学,骨格筋のUDペン教材に関してはほぼ完成しているが,臨床医学関連の教材を作成中である。また,点字使用者用(点字,触図),弱視者用(墨字,図表)の配布資料に音声情報に対応したドットコード(バーコード),DAISY用に人工音声変換にて音声ファイル教材作成している。 4.バーチャルアイドルによる解説や歌による新規の教材のプロトタイプの作成:『ボカロネット』(Yamaha)を利用することを決め,現在プロトタイプの作成方法手順に関してはほぼ完了した。 5.各教材の歌詞の作成:現時点では「病理学」,「神経内科学」のみ作成しているが,まだ十分な完成状態とはいえない。しかし,今後1年間に予定通りの内容を実施できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.医療を学ぶ視覚障害学生用の授業教材の作成,自習用教材の作成:「神経内科学」,「病理学」,「臨床病態学」,「臨床医学総論」の授業や自習に活用できるようになっており,実際に学生に使用している。今後は,電子出版に向けて内容の充実を図る。 2.視覚障害学生用ドットコード,音声ペンによる音声解説自習教材の開発:臨床医学関連「神経内科学」,「病理学」の教材を作成中であり,今後国家試験出題基準に準拠し,科目を増やす予定である。 3.バーチャルアイドルによる解説や歌による新規の教材の作成:歌詞の作成が最も手間のかかる作業であり,現時点では「病理学」,「神経内科学」のみ作成しているが,今後国家試験出題基準に準拠し,科目を増やす予定である。 4.視覚障害学生における上記自習教材の有用性の検証:(1)点字使用学生,弱視学生に分けて検証作業を実施する.(2)実際に視覚障害学生を対象に,「通常教材」と「本研究の教材」で携帯型タブレット端末を用いて2時間程度の自習を実施する. (i)アンケート(質問紙法で実施),(ii)自習における集中力(複数の評価者で実施),(iii)実践での学生の記憶保持効果(学習項目を1時間後の短期記憶効果,2週間後の長期記憶保持効果),(iv)自宅での学習効果,で評価する。 5.視覚特別支援学校専攻科への普及:「本研究による新規教材」を,希望する視覚特別支援学校専攻科にその作成法および原材料を普及し,その有効利用を図り,さらに精度を高めていく。なお,教材はソフトウエアなどの著作権を侵害しないように十分に注意して普及を図る。
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Causes of Carryover |
教材の充実のため消耗品(ソフトウエア)を購入予定であったが,日程の都合で物品が入荷できず,12,711円の残が出た。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H26年度に購入できなかった消耗品を購入する。
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Research Products
(3 results)