2014 Fiscal Year Research-status Report
重症心身障害児・者の生活機能拡張・向上のための療育者への間接的介入に関する研究
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25381304
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
宮地 弘一郎 信州大学, 学術研究院教育学系, 講師 (40350813)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 重症心身障害 / ICF / 間接的介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では“反応の乏しい”重症心身障害者の生活機能としての感覚受容を拡張・向上するための,療育者への間接的介入の効果について,重障事例の日常生理モニタリングと療育スタッフの主観評価から検討することを目的としている. H26年度は,H25年度の成果を基に,療育スタッフ向けのかかわり自己評価チェックシートの効果について、施設Aを対象に2つの検証を行った. 第1の検証として、施設Aについて完成版チェックシートの実施を継続的に行うとともに、H26年11月~12月にかけて、病室の人関連刺激のVTR分析による調査を行い、H25年11月~12月に実施した調査結果、さらに、H23年度のVTR記録の遡及的分析を行い比較した.結果、H23年度とH25年度との間に人関連刺激の変化はほとんどみられなかったが、H26年において顕著な増加が認められた. 第2の検証として、H26年12月に、施設Aで生活する重障者5事例の感覚受容評価を実施し、H23年度に同じ対象に実施した感覚受容評価結果と比較を行った.結果、H23年度と比べてH26年度では5事例全てにおいて視覚・聴覚・体性感覚刺激に対する心拍反応の分化が認められ、刺激に対し多様な心的反応を示していると思われた. 以上より、チェックシートを用いた間接的介入によってかかわり環境が変容し、重障者の刺激応答性の変容に繋がる可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H25年度中に、H26年度に予定していたかかわり自己評価チェックシートのテスト試行と見直しを図ることができたため、H25年度中にチェックリストの効果検証のためのベースラインデータを得ることができた。そこで、H27年度に予定していたチェックリスト効果の検証を前倒しで実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度中に、当初予定していた研究の一部を前倒しで進めることができたため、今年度は、チェックリストの実施形態の違いや、施設の種類を変えた試行を実施し、より効果の高い実施方法の検討、および、チェックリストの汎用性についての検討を加える予定である. これらを基に、今年度後半に、重障児・者の生活機能拡張・向上のための間接的な療育者介入プログラムを作成する.
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Causes of Carryover |
購入したデータ保存用の消耗品が、当初予定していた価格よりも安価で購入できたための差額。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
保存用BD-R購入に、次年度使用額とH27年度請求額を合わせて使用する。
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