2015 Fiscal Year Annual Research Report
言語障害のある子どもに対する協調運動面の指導に関する実践的研究
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25381336
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
小林 倫代 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育研修・事業部, 上席総括研究員 (00300715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保山 茂樹 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 総括研究員 (50260021)
牧野 泰美 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育支援部, 総括研究員 (80249945)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ことばの教室 / 言語障害 / 発達性協調運動障害 / 実践事例 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、経験知として受け止められている言語障害と協調運動の関連性を実証的に明らかにすることを目的とし、①「ことばの教室」で指導を受けている言語障害のある子どものうち、発達性協調運動障害の傾向のある子どもがどのくらいの割合で存在するのかについて全国調査により明らかにし、②言語障害の改善と協調運動の改善が相互に影響しあうか否かについて、事例を通して検討した。 ①に関して、全国の「ことばの教室」の担当者を対象とした調査を平成26年度に行い、「ことばの教室」で指導を受けている子どもの約2割に協調運動面の課題のあることが明らかになった。協調運動面に課題のある子どもの割合は、年代別にみると年齢が上がるにつれて協調運動面の課題のある子どもが減少している傾向がみられ、成長により改善がみられると考えられた。「ことばの教室」に通っている子どもたちには一定の割合で、協調運動に課題がある子どもがいることが明らかになった。この結果は、日本LD学会第24回大会(平成27年)においてポスター発表した。 ②に関し、継続的な事例調査と事例検討会を実施した。事例調査の結果では、言語面と運動面の両面で成長が見られた事例、言語面では成長が見られたが運動面では変容がなかった事例、両面共に変容がなかった事例とがあり、言語障害の改善と運動面の改善とは、単純に関係があるとは言い切れないことが明らかになった。事例検討会での事例からは、運動面での課題は子どもの意欲や自尊感情、対人関係を含めた様々な行動様式に影響を与えることが推測され、運動面への適切な指導の重要性が示唆された。また、運動面への適切な指導が子どもの課題に取り組む意欲や姿勢に影響を与え、言語障害に対する指導にも集中して取り組むことができるようになると考えられた。 3年間の研究成果を研究成果報告書として作成し、関係者等に配布し、当研究所のWebに掲載した。
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Research Products
(2 results)