病気を理由に学校を長期欠席している児童生徒の学びの支援システム開発に関する研究

2013 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25381337
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: Toyo University
• Principal Investigator: 滝川 国芳 東洋大学, 文学部, 教授 (00443333)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西牧 謙吾 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), その他部局等, 診療部長 (50371711)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 病弱・身体虚弱教育 / ICT / 長期欠席 / 支援システム

Research Abstract

本研究においては、病気のある児童生徒への教育支援の方略として，ICT を活用した授業形態の有効性と課題を明らかにすることを目的とした。特に学校教育の場に行くことができない自宅療養等を余儀なくされている長期欠席している児童生徒への教育支援へのICT 活用について検討を行った。研究成果は、次の通りである。
１．先行研究の検討＜入院や自宅療養を必要とする児童生徒の学習や療養に関して，発表されている先行研究や実践を検討する。また，退院後の児童生徒への教育支援に関する実践事例を収集する。＞
入院し療養している児童生徒を対象に教育を行っている特別支援学校である、愛知県立大府養護学校、京都市立桃陽総合支援学校等を訪問し、実際に行っている教育活動について、聴取を行い可能な範囲で授業参観を行った。また、日本育療学会、日本LD学会等の学術集会、年次大会に出席し、ポスターセッション、口頭発表において意見交換を行い、入院や自宅療養を必要とする児童生徒の学習や療養に関して情報収集した。学術論文等の先行研究の文献講読も行った。
２．自宅療養を必要とする児童生徒の実態把握＜病院を退院後に自宅療養を必要とする児童生徒及び保護者への質問紙調査と病院内学級への実地調査＞
児童生徒及び保護者への質問紙調査については、質問項目の検討を進めている段階であり、調査の実施は、次年度に行うこととする。調査対象者の選定については、病気のある児童生徒を対象とする複数の特別支援学校、小・中学校特別支援学級に打診を行い、快諾を得た段階である。また、がんのこどもを守る会に、保護者への質問紙調査の実施について、おおむね了解を得ることができた。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本年度は，①自宅療養を必要とする児童生徒の実態把握に向けた先行研究の検討，②調査項目と評価方法の設定，③実態把握調査の実施，④韓国の健康障害教育に関する文献研究を行うことを目的とした。
①②④については、順調に研究活動を進めることができた。しかしながら、本年度は所属の変更により、研究活動に十分なエフォートをかけることができず、③の実施までには至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

本年度に実施を予定していた、自宅療養を必要とする児童生徒の実態把握を、次年度の早い時期に実施したい。
さらに、研究計画に沿って具体的な学びの支援システムの検討を行うとともに、病気療養中の児童生徒への遠隔授業を試行を開始することとする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究代表者、研究分担者ともに、本年度より所属の変更が生じたことに起因して、本研究活動にかけるエフォートが当初の研究計画よりも少なくなってしまった。
このことにより、当該年度の実支出額が計画より減少し、次年度使用額が生じることとなった。
当該年度に実施予定をしていた実態調査を次年度の早い時期に実施するとともに、次年度以降の研究計画に沿って、確実に研究活動を遂行する。