2013 Fiscal Year Research-status Report
単一分子接合のスイッチング機構および熱起電力発生・熱生成と散逸の理論
Project/Area Number |
25390007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上羽 弘 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特任教授 (70019214)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 単一分子 / 振動励起 / スイッチング / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
(1)単一アセチレン分子の回転反応による単一分子スイッチ現象の理論解析を行い、アセチレン分子振動のトンネル電子による振動励起を介した素過程の全貌をその発表の16年後に初めて明らかにした研究成果がPhysical Review Letter 111, 186102 (2013)に掲載された。 (2)単一分子の振動励起に誘起された単一分子反応速度のバイアス電圧依存性を測定するアクションスペクトロスコピーの包括的な一般理論構築を世界に先駆けて行った研究成果をPhysical Review B 89, 035427 (2014)で発表した。 このように研究課題である単一分子スイッチング機構の発現とそれらを実験的に観測 するための基礎理論を構築し、研究計画の当初予想を超えた成果を挙げることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
振動励起による単一分子反応の分野でパイオニア的な研究として認知されている分子回転による単一分子スイッチング機構の全容を理論的に明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
1990年にEiglerらがNatureで単一原子スイッチの論文を発表して以来、世界的に精力的に行われてきた振動励起による単一原子・分子反応について主に理論的な観点から総合的に整理し、国際的に評価の高い専門誌に総合解説論文を投稿よていである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
富山大学を定年退職後、東京大学大学院新領域創成科学研究科特任教授として採用され、 特任としてのプロジェクト研究に専念するため、当初予定した海外出張による共同研究が行えなかったことが次年度使用額が生じた主な理由である。 海外共同研究者と打ち合わせ、数か月にわたる共同研究を実施予定である。
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Research Products
(3 results)