2013 Fiscal Year Research-status Report
一官能基型金ナノラベル剤の開発およびクライオ電子顕微鏡による生体分子相互作用解析
Project/Area Number |
25390016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 行男 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 教授 (90109059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多喜 正泰 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 准教授 (70378850)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金ナノ粒子 / クリック反応 / ペプチド |
Research Abstract |
本研究の中心的課題は,いかにして金ナノ粒子の1粒子に確実に一つの官能基を導入するかにある.固相合成用の樹脂上での高効率クリック反応が実現できればこの課題は達成できると考え,平成25年度は,次の二方面からのアプローチを遂行した. 第一はクリック反応の高効率化である.クリック反応は銅イオンによって触媒されるが,このとき配位子を必要とする.現在実用化されている配位子は大量合成に不向きであるため,本研究の目標達成には不適当である.そこで,入手容易なピコリルアミンと骨格とする配位子の設計と合成を実施した.合成した配位子のいくつかは良好な活性を有していたものの,反応中に分解するという欠点があった.次に,配位子構造の一部を安定なアセトアミドに置き換えた.その結果,安定で高活性な新規配位子を得ることができた.さらに,本配位子はあらかじめ銅塩と混合することで固体の錯体を調製することが可能であった.従来の配位子は銅塩とともに,それぞれ反応液に添加しなければならない事実に比較して,この点も大きな進歩であり,ここに本研究課題達成に適したクリック反応が確立できたといえる. 次にペプチド固相と組み合わせた金ナノ粒子の調製である.この合成では,N末端を金ナノ粒子の配位子とし,C末端を必要とする官能基の連結部とすることを考えた.それらの間がリンカーとなり,ここに適切なアミノ酸を選択できるのが,この設計のメリットである.N末端として金ナノ粒子に配位するリポ酸を用い,C末端の官能基のモデルとして,フッ素NMRによる検出を想定して,ベンゼン環をフッ素原子で置換されたフェニルアラニンを用いて合成を実施した.リンカー部を酵素によって加水分解することによって,NMRスペクトルにおいて明確なシグナルの変化が観測された.この事実は所期の官能基を保持した金ナノ粒子が調製できたことを示している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の30%程度の達成点にあると考える.目標とする一官能型金ナノラベル剤はいまだ手にしていないが,その合成を実現するためのクリック反応の高効率化とペプチド固相と組み合わせた金ナノ粒子の調製に関する基礎データは着実に得られ,また,必要とする技術も蓄積されてきた.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度,固相合成用の樹脂上でのクリック反応を実施して,一官能型金ナノラベル剤を調製する.反応の進行は,樹脂上への金コロイドの着色によって確認する.続いて,ペプチドを樹脂から切り出し,ニッケルイオンを作用させた後,ゲルろ過によって精製する.
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