2014 Fiscal Year Annual Research Report
一官能基型金ナノラベル剤の開発およびクライオ電子顕微鏡による生体分子相互作用解析
Project/Area Number |
25390016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 行男 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (90109059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多喜 正泰 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (70378850)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金ナノ粒子 / 無機・有機複合材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は,高性能の無機・有機複合材料の調製法を確立すれば達成できると考え,平成26年度は,金ナノ粒子とともに無機材料と蛍光色素が併存する複合材料からのアプローチも遂行した. 第一の課題については,昨年度,ペプチド固相合成によって所期の官能基を保持した金ナノ粒子の調製が確かめられたことに基づき,液相合成によるペプチドの大量合成を実施した.このとき,系統的な構造をもったペプチドを得るため,リンカー長を種々変化させ,また,グリシンを挿入して官能基の方向を揃えることを試みた.その結果,良好な相互作用を得るためには,安定性とともにペプチドの配向性の自由度を制限することが効果的であることが分かった. 次に,生体適合性の高いナノ粒子を獲得するため,無機セラミックス材料である緑色長残光蛍光体を母体として選択した.実験は緑色長残光蛍光体を粉砕し均一なナノ粒子を得る条件検討から始まった.続いて,その表面に疎水鎖を導入した後,両親媒性ポリマーで被覆することで,必要とされる耐水性および分散性をもったナノ粒子を作成するプロトコールを確立した.次に,被覆する両親媒性ポリマーの両末端に有機蛍光色素を共有結合で連結することを試みたが,得られた試料には有機蛍光色素は残存していなかった.そこで,疎水性相互作用で粒子表面に有機蛍光色素を挿入する手法を検討し,その結果,良好な特性を有する試料を得ることに成功した.続いて,無機材料と蛍光色素との相互作用がスイッチングする工夫として酢酸エステルのエステラーゼによる加水分解を試みた.その結果,長残光蛍光体から蛍光色素へのエネルギー移動が観測され,所期の目的を達成した.
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