2015 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質超分子機械のダイナミック構造変化イメージング
Project/Area Number |
25390037
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西山 雅祥 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (10346075)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ナノバイオ / 分子モーター / 分子機械 / 高圧力顕微鏡 / 水和 / べん毛繊維 / 超らせん構造 / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、水との相互作用により生み出されるタンパク質の高次構造形成のメカニズムを明らかにすることを目的としている。平成27年度は真核生物の細胞骨格の代表例である微小管のフィラメント構造を調べる研究を実施した。ジャイアントリポソーム内にチューブリン分子を封入した後、その内部で重合させて微小管を形成させた。微小管の伸張に伴い(0.1 MPa, 25℃)、膜の内側から押す力で膜突起が形成された。これらの突起は、方向性が揃わない微小管数十本程度から構成されていると考えられる。これまで研究代表者が開発してきた高圧力顕微鏡を利用して、この膜突起をもつリポソームを加圧したところ(60 MPa)、わずか数十秒で突起が短縮する様子を実時間で観察できた。その後、すぐに減圧して大気圧に戻し、同じリポソームの観察を続けたところ、膜突起はほぼ同じ位置から伸長を開始し、約10分後には元の長さに戻った。その後も同じリポソームに対して、2回の加圧・減圧操作を実施しながら観察を続けたところ、いずれの場合も元の長さへと戻ることが判明した。これは、人工細胞内にある微小管の重合・脱重合反応を可逆的にコントロールできたことを意味する。リポソーム突起の短縮速度の圧力依存性は、Paclitaxelでフィラメント構造を安定化させた微小管と似ていることから、高圧力は微小管を構成するチューブリン分子間の相互作用に直接作用していることが示唆された。
|
Research Products
(14 results)