2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25390045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
早瀬 仁則 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70293058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 崇弘 東京理科大学, 理工学部, 助教 (90711630)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 燃料電池 / MEMS / 多孔質シリコン / 多孔質白金 / 多孔質パラジウム / UPD / SLRR |
Research Abstract |
開発を進めている小型燃料電池の触媒層における白金使用量を削減するために、従来使用していた多孔質白金触媒層に変えて、多孔質パラジウム層のパラジウム表面上にわずかに白金を析出させた触媒構造の検討を進めた。 計画通り、Underpotential deposition によりパラジウム上に銅を減思想レベルで堆積させたのち、この銅を白金に置換する Surface limited redox replacement(UPD-SLRR)プロセスにより白金を堆積させることに成功した。この方法を利用して、小型燃料電池を試作したところ、パラジウム多孔質を酸素極の触媒として使用した場合、小さな出力しか得られなかったが、UPD-SLRRにより白金を堆積させた場合、多孔質白金触媒に匹敵する出力を得ることができた。 一方、パラジウム・白金合金は、一酸化炭素による被毒に耐性があるとの報告がある。そこで、一酸化炭素を含む水素を燃料として発電試験を行った。この結果、100ppm程度の一酸化炭素濃度では有意な出力低下は見られず、500ppm 程度の高い一酸化炭素濃度においても発電可能である見込みが得られた。 また、白金の堆積量を分析した結果、0.01mg/cm2であった。従来の多孔質白金の場合、3.6mg/cm2であったことから、わずかに出力低下は見られるものの、大幅に白金使用量を削減できることが分かった。また、白金が極微量であるにもかかわらず、高い耐一酸化炭素被毒性が見られ、さらなる研究が必要と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通り多孔質パラジウム上にUPD-SLRRにより白金を堆積でき、性能評価を行うことができた。さらに、予想以上に少ない白金使用量で高い性能が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
検討を進めたプロセスが高性能触媒を作製する有力な手法であることが明らかになった。プロセスの最適化を進め、小型燃料電池の実用へ向けて研究を推進する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
微細パターンを形成するレーザー描画装置のレーザー交換費用を計上していたが、廉価なレーザーが新たに発売されたため、交換費用が当初予定していたよりも低廉になったため。 高い耐一酸化炭素が見られるなど、期待した以上の興味深い結果が得られた。これらの現象をより詳細に検討するために、当初の予定以上に外部機関へ質量分析などの依頼分析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)