2015 Fiscal Year Annual Research Report
非定常熱流体解析に基づいた熱流体を利用した3軸方向加速度センサーの設計開発
Project/Area Number |
25390047
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大上 芳文 立命館大学, 理工学部, 教授 (30203722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DINH XuanThien 立命館大学, 理工学研究科, 研究員 (40469200) [Withdrawn]
福留 功二 立命館大学, 理工学部, 助教 (70710698)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノマイクロセンサー / 加速度センサー / MEMS / 数値流体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
加速度センサーの性能を向上させるために,リング状のヒーターを点状に置き換え,数値解析によりその性能を比較し,利点,欠点を明らかにした.点状のヒーター上に作られる熱塊は,リング状のそれよりも細長くなるため,同じ加速度に対して熱塊の動きがより敏感になると考えた. その結果,例えばx方向に5gの加速度をセンサーに与えたとき,円状ヒーターが温度センサー部に生み出す温度変化は0.784度であり,点状ヒーターでは4.208度と5.36倍にもなり,その感度の良さが明らかとなった.なお,ヒーターの発熱量は0.015Wとした.しかし,円状ヒーターに生じる温度の最大値は482Kに対し,点状ヒーターのそれは1700Kとなることが今後の課題となった. 次に加速度センサーの非定常状態での応答性を明らかにするために,正弦波状に変化する加速度を与え,その周波数と温度センサーの出力温度の関係を調べた.周波数を0から5000Hzまで変化させて,温度センサーの出力温度の振幅と位相遅れを数値解析により明らかにした.その結果,周波数が大きくなるほど位相遅れも大きくなり,5000Hzでは167.4度となった.また,そのときの振幅は,0Hzの0.33%となった.また,100Hzでは位相遅れは61.2度,振幅は52.73%である.その結果,実用的な測定を行うための周波数の上限を明らかにすることができた. 実験において,半径18cmの回転台の上にマクロタイプの装置を作成し,回転運動を与えることで加速度をセンサーに与え,作動原理の実証を行った.なお,ミクロタイプ,すなわち装置の大きさを数mmにすることは,予算の関係上できなかった. 総じて,加速度センサーの形状や温度センサーの最適位置を明らかにすることができ,今後はMEMS技術により,ミクロタイプの加速度センサーの作製と実験を行う段階に来ている.
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