2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25390087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
吉森 久 岩手大学, 工学部, 准教授 (40322961)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分光ホログラフィー / コヒーレンスイメージング / 3次元イメージング / 分光イメージング / 計算イメージング |
Research Abstract |
従来の2光波折り畳み干渉計を改良した第1干渉計の計測システムを開発した.その基本動作を確認したところ,双曲面型インターフェログラムを直接測定できることが確認されたので当初の目的は達成されたといえる.しかし,干渉計の残留位相分布が重畳されることが新たにわかり,これを解消するという新たな課題も明らかとなった.第2干渉計に関しては,産業技術研究所において動作確認を行い,単独の基本動作は問題ないことを確認している. 一方,本手法の基礎となる理論研究面では取得される3次元分光立体像の3次元結像特性と分光特性を同時に指定する4次元インパルス応答関数を解析的に導出した.この4次元インパルス応答関数の解析解に基づいて計算されたスペクトル分解能・3次元点広がり関数は実験結果と良く一致することが確認された.さらに,この4次元インパルス応答関数から導かれる3次元点広がり関数は本手法のみならず従来のコヒーレントホログラフィーの3次元結像特性の評価にも利用することができるため,一般のホログラフィック3次元イメージングにおける奥行きに関する正確な分解能を評価する上で有用であることがわかった.従来ディジタルホログラフィーにおいて,奥行き方向の分解能は,波長と再生条件で決まる有効F値から合焦深度を算出し,経験的にこの値のよって評価されてきた.しかし,今回導出した点広がり関数による奥行き方向の強度分布の広がりと従来の系観測を比較すると,両者には大きな隔たりがあることがわかった.従来の経験則はレンズ結像系の焦点深度と同様の考え方であるから,3D物体を2D画像上へ投影して評価している.したがって,3D物体を3Dイメージとして再生するディジタルホログラフィーでは別の評価法が必要ではないかと考えられる.この新しい評価法への足がかりとして,4次元インパルス応答関数をもとに研究を進めていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現時点での当初目標は十分達成したが,同時に新たな課題も明らかとなった.しかし,当初は予想していなかった4次元インパルス応答関数の解析的導出という成果が得られたので,研究全体から見れば予想以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
新たな課題の解決方法を研究する.同時に,第1干渉計の性能評価を行い,双曲面型体積インターフェログラムが実際に取得できることを確認する.また双曲線型体積インターフェログラムに対応した分光立体映像再生ソフトウェアを開発する.次に,検証実験として第1干渉計だけで分光立体映像の取得を試みる.被測定物体は,準単色点光源や3 次元的に配置した2 色2 点光源から始め,次に自然光で照明された一般の物体を対象とする. 次に,第2 干渉計の性能評価を行い,第1 干渉計と組み合わせたときに高い性能が発揮できるように調整する. そして,第1干渉計を第2干渉計と結合し,システム的に融合することにより超広帯域ヘテロダイン干渉計測システムを完成させる.このシステムの基本動作確認が,平成26年度の到達目標である. さらに,4次元インパルス応答関数に基づく分光立体結像特性の研究も積極的に進めたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
第1干渉計の残留位相という想定外の問題が発生し,第2干渉計への着手が遅れたため,第2干渉計構築・調整の予算を繰り越した. 第1干渉計の残留位相を低減あるいはキャンセルする方法を研究開発するための予算として使用すると同時に,第2干渉計の構築・性能評価のために繰り越した予算を使用する計画である. また,新たな知見として得られた4次元インパルス応答関数による分光立体結像特性の研究にも一部使用する.
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Research Products
(15 results)