2015 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜エリプソメトリーによるその場精密3次元形状計測法の開発
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25390089
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
津留 俊英 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (30306526)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 偏光 / エリプソメトリー / 形状計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、一般に平面試料に用いられるエリプソメトリーを立体試料に拡張し、物体表面の法線ベクトルを直読する傾斜エリプソメトリー技術を用いた3次元形状計測法の確立と、これを用いた実時間精密3次元形状計測装置を開発することを目的とする。 最終年度は、傾斜角の計測精度0.1度を目指して円偏光度97%以上の円偏光装置の開発と傾斜エリプソメトリーの人体応用を検討するために人体の直入射分光反射率計測を行った。具体的な成果は次の通りである。①市販の右回り円偏光フィルムの分光及び入射角特性を評価し、530 nmを中心に480-600 nmの範囲で、また、入射角45度まで円偏光度97%以上を実現できることを明らかにした。②円偏光フィルムの特性から、半値角15度の高指向性LED前面に右回り円偏光を貼り付け、これを3次元的に配置することで全方位から試料を照明する構成とした。③金厚膜多角形を試料として干渉フィルターによって波長532 nmと540 nmでそれぞれ偏光イメージングを行った。④波長差は僅か8 nmであるが、得られた楕円率角には明確な違いがあり、両者の楕円率角はともに同一の傾斜角を示したことから改めて傾斜エリプソメトリーの有用性が示された。⑤Siウエハーを参照反射試料とした入射光スペクトルの取得によって、Y分岐バンドルファイバーを用いた垂直分光反射率計測法を確立した。⑥人体の肌表面の分光反射率を再現性良く計測するために反射プローブホルダーを設計・製作して分光反射率を計測した。⑦人体の可視分光反射率計測から、素肌の正反射光成分の反射率は1-3%程度であり、16名の全被験者に共通して波長610 nmが最も反射率が高いことがわかった。⑧これらの結果から、人体は可視光波長の全領域でエリプソメトリー計測可能な正反射光が得られることを明らかとした。
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