2014 Fiscal Year Research-status Report
CVD法・環化反応によるn型有機半導体ナノロッド形成技術の開発と太陽電池応用
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25390115
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小柴 康子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助手 (70243326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 謙司 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20303860)
上田 裕清 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40116190) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エネルギー変換 / 有機薄膜太陽電池 / n型有機半導体 / 化学気相成長法 / ナノロッド |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年度作製した新規反応装置を用いて、テトラシアノベンゼン(TCNB)と金属蒸着膜との気固相反応を試みた。また電極上へのナノロッド形成に向けて、金属極薄膜とTCNBの反応を試み、オクタシアノ金属フタロシアニンの生成とナノロッド成長の金属種依存について検討した。洗浄した石英基板上にCu、Fe、Al、Niを6 nm真空蒸着し、この基板とTCNBをアルゴン雰囲気下で封管に封入し300℃で所定の時間加熱した。加熱後、金属極薄膜上には緑色の薄膜が生成し、紫外可視吸収(UV-Vis)スペクトルと赤外吸収(IR)スペクトルよりオクタシアノ金属フタロシアニンの生成が、X線光電子分光(XPS)測定より金属極薄膜との反応によりフタロシアニン環の中心に金属が配位していることが確認できた。薄膜の走査型電子顕微鏡(SEM)観察より、オクタシアノ金属フタロシアニンは金属極薄膜との反応よりロッド上に成長することがわかったが、オクタシアノ金属フタロシアニンの生成とロッド成長には金属種により違いが見られた。Cu極薄膜との反応が最も進みやすく、ロッド径40-100nm、ロッド長100-700程度の高密度なロッド成長が見られた。Fe、Al、Ni上では、Cuに比べてオクタシアノ金属フタロシアニンの生成量は少なく、ロッド密度は低く長さ方向へのロッド成長が進む傾向にあった。気固相反応の金属種依存について、錯体形成、金属の結合エネルギーなどから考察を行い、太陽電池応用に向けて適切な金属種についての知見を得ることができた。また新規反応容器での反応では封管中での反応と比べて系全体の温度制御が難しいことがわかった。最適な制御にむけて装置の改良が必要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属極薄膜との気固相反応でも、オクタシアノ金属フタロシアニンが生成し、ロッド状に成長することが確認できた。金属種によっては高密度なロッド成長が観察されたことから、反応条件を検討することにより太陽電池応用に向けた電極上へのナノロッド形成が可能であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の結果をもとに、太陽電池応用に向けた電極上でのn型有機半導体ナノロッド成長制御を目指す。新規反応容器での反応と反応観察に関しては、装置の温度制御の改良を含めて検討し、最終的に最適化されたオクタシアノ金属フタロシアニンナノロッドの電気特性評価・光電変換特性評価を行う。
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Causes of Carryover |
研究費の効率的な使用により次年度使用額生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この予算により新規反応容器の改良が可能となり、より適切な条件での環化反応を行うことができる。
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Research Products
(8 results)