2014 Fiscal Year Research-status Report
2軸加速度1軸角速度検出用圧電振動型センサの高性能化に関する研究
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25390118
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
菅原 澄夫 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (00007197)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 2軸加速度 / 角速度 / 加速度センサ / 角速度センサ / 周波数変化 / 圧電振動 / 振動型センサ / 有限要素法解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究対象とする圧電振動型センサのさらなる高性能化を図るために、特に2軸加速度センサにおいて引き続き各種工夫を行い、一部その試作試料を用いてセンサ設計の妥当性を実験的に検証した。 1.2軸加速度センサ用直角横振動子の新構造 昨年度検討した直角横振動子の構造をさらに改良、すなわち2個の横振動子の接合部の面積を大きくした上で質量表面の重心に接合させる構造について詳細に検討した。その結果、振動子の共振周波数は多少増加するが、その結合現象はさらに容易に低減可能なことが明らかになり、設計の自由度が増すことが分かった。 2.2軸加速度センサの特性解析と実験的検討 上記の新構造直角振動子を2軸加速度センサの質量表面の重心に接合させる構成について、有限要素法により詳細な特性解析を行った。まず、各種の解析結果から、このタイプの加速度センサでは他軸感度が極めて小さく問題とならないことが、改めて明らかになった。また、その加速度に対する共振周波数変化の関係は、2軸方向それぞれに対して原点を通る直線特性になることも再確認された。次に、ステンレススチール(SUS304)を用いて、この改良型2軸加速度センサの試作と実験的検証を行った。圧電セラミックス接着による圧電駆動を実施したが、センサ特性は加速度に対して直線特性となり解析値とも良く対応することが確認された。セラミックスの接着や振動子の板厚の増加によってセンサ感度が低下すること、またセンサの使用に当たっては感度最大にするため前モデルのようにセンサを45°回転させて設置する必要がなく、直角振動子を構成する2個の振動子の向きを2軸方向にそれぞれ一致させれば、最大感度の状態で利用可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初計画の一つは、2軸加速度センサと1軸角速度センサを平面的に配置する複合化構成を明らかにするものであった。これについては、既に幾つか考案済みである。したがって、今年度は特に圧電振動型センサを構成するセンサの一つである2軸加速度センサの高性能化を図ることに集中した。 当初計画の二つ目として、センサ試料の製作と特性測定を掲げていた。これについては、予定通り試料の設計および試作が完了した。その中で、今年度は改良した2軸加速度センサの特性測定を行い、設計結果と良く対応する結果が得られ、解析結果の妥当性が検証された。しかし、1軸角速度センサ部の特性測定はまだ行われていないため、研究最終年度に実施せざるを得ない。 以上の結果から総合的に判断して、今年度は圧電振動型センサの高性能化に向けて着実に研究が進展しているので、研究計画としては概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度は、当初計画ではMEMSセンサの設計と製作で終了させるものであった。しかし、これまでの研究成果を活用する観点からは、過去2年間で得られた知見だけでは不十分であることが明らかになってきた。そこで、今後はこの研究課題をまとめる意味からも、上記のようにまず残された1軸角速度センサの特性測定を実施すると共に、ステンレススチール(SUS304)で構成される2軸加速度1軸角速度検出用圧電振動型センサに焦点を絞って研究を推進することが何よりも重要と考えている。なお、MEMSセンサについては、同原理に基づく1軸加速度センサの試作を既に行っていることから、圧電振動型スチールセンサ実現の各種知見が明らかにされてさえいれば、そのMEMSセンサの実現は容易であると考えられる。
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