2013 Fiscal Year Research-status Report
省エネ型高出力超短パルスレーザの開発とスーパーコンティニウムの発生
Project/Area Number |
25390120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中村 真毅 茨城大学, 工学部, 准教授 (90323211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曽根 宏靖 北見工業大学, 工学部, 准教授 (00333667)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レーザー / フェムト秒 / 光ファイバー / イッテルビウム / YAG |
Research Abstract |
我々はこれまでにYb:YAGセラミックレーザのモード同期発振に成功したが、透過率1%出力結合鏡(OC)使用時、励起パワー26.6 Wにおいて、パルス幅417 fsで平均出力パワーは250 mWと低いものだった。繰り返し周波数は91 MHzであり、ピークパワーは6.59 kWであった。そこから、共振器の励起光源の集光系を改良し、その後レーザ媒質であるYb:YAGセラミックの結晶厚を変更した。励起光源のファイバ付LDのファイバコア径は100 μmのものを使用した。励起光集光レンズを平凸レンズからアクロマティックレンズに変更した。Yb:YAGセラミックは従来の結晶厚1 mmに加え、結晶厚2 mm、3mmのものについても実験を行った。また、共振器の分散補償系をこれまで用いてきたプリズム対から、GTIミラー及びチャープミラーに変更した。共振器はX型共振器であった。その結果、3 mm厚Yb:YAGセラミック、透過率2%OCを用いたモード同期Yb:YAGセラミックレーザにより、励起パワー25 Wの時、中心波長1050 nmにおいて、パルス幅433 fsで平均出力パワー3.80 W、繰り返し周波数90.9 MHz、ピークパワー96.5 kWを達成した。しかし、高パワーのため結晶に熱損傷を起こした。以後結晶厚2 mmのものを使用することとなった。それから、X型共振器はプリズム対を用いた際のミラーの幾何学的配置の都合で用いていたが、プリズムを分散補償ミラーに置き換えたので、配置を変更することが出来て、Z型共振器に変更できた。この結果、折り返している球面ミラーの収差を小さくすることが出来た。また、励起光のコリメートに非球面レンズを用いる変更を行った。この共振器系では、透過率1%OC使用時、励起パワー25 Wのとき、中心波長1050 nmにおいて、パルス幅543 fsで平均出力パワー3.10 W、繰り返し周波数76.9MHz、ピークパワー74.2 kWを達成した。その他、帯溶融法で作製したYbバナデートレーザの発振に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的として、まず光源としてモード同期Yb:YAGセラミックレーザの高出力化を行い、これから出力された超短パルスを低分散ファイバに通して、パルス圧縮し、この光をフィードバックして更に短いパルスを得ることが目的である。初年度に光源が出来たので問題ない。次年度以後、低分散ファイバを通してスーパーコンティニウムの発生実験を行えるものと予想できる。結晶が熱損傷を受けなければ計画以上に進展した可能性が有る。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は低分散ファイバを購入してスーパーコンティニウム発生実験を行う。この低分散ファイバに光を導くためにミラーホルダ類とミラーそして集光対物レンズなどを購入する。ファイバ出力を別のファイバに結合するためにファイバ融着器の購入も必要である。 超短光パルスを低分散ファイバに通した後にパルス圧縮するには、超短パルス光源は安定な動作が不可欠であるが、現段階では消耗品であるSESAMの劣化が激しく、パワーダウンが起こる。ただし1W程度の平均出力のときには、SESAMは劣化せず、安定に動作することを確認している。出力を1W程度に限定して実験することで問題が解決する。また、超短パルス光源をファイバ型のものにすることにより安定動作できるので、その実現可能性についても探り必要に応じて装置を開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進展が早かったので前倒し請求により予算を今年度に移行したが、レーザの結晶が熱損傷を起して、研究が遅れてしまい、当初予定に予定を戻したため。 前倒し請求する前の当初予定の計画に戻す。
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Research Products
(3 results)