2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25390151
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五十嵐 顕人 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (00115784)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 複雑ネットワーク / 情報通信 / 経路制御 |
Research Abstract |
ネットワーク社会といわれる現代においてネットワークを通じた膨大な情報通信における通信経路の最適化を当研究では取り組んでいる。平成25年度においては、研究実施計画で示した(1)ネットワークモデルの構成においては、複数のネットワークが相互に結合するとき結合する同士の次数によって繋がりが決まるモデルの構築を行った。これに関する研究の成果は、2014年3月神奈川県平塚市で開催された、日本物理学会において「相互につながったネットワークにおける頑強性に関して」久世、五十嵐 として発表を行った。また、研究実施計画における(2)通信経路探索、(3)情報通信モデルに関してはPeer-to-Peer(P2P)ネットワークにおける通信のモデルを構築し、その通信経路の制御に関してP2Pではない一般のネットワークにおいて開発された手法をこれに適用し渋滞の解消に効果があることを示した。この成果は2013年9月にチェコのプラハで開催されたThe 2nd International Conference on Mathematical Modeling in Physical SciencesにおいPeer-to-Peerネットワークにおける通信経路の制御に関する研究を発表している。この研究に関しては、Journal of Physics:Conference series Vol.490 01219-1 ~ -4 にOptimization of routing strategies for data transfer in peer-to-peer networks by A.Morioka and A. Igarashi を掲載している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高度なネットワーク社会といえる現代において重要な情報通信における経路制御を改良することを本研究は目指している。研究第1年においては、通信ネットワークモデルに関して複数のネットワークが互いに相関を持って繋がっている場合の構造・性質を調べている。また、情報通信モデルに関しては一般的なネットワークにおいて研究してきたモデルをpeer-to-peerモデルに拡張し新たなモデルを構築した。また、その構築したネットワークモデルにおける情報通信経路制御に関しても一般のネットワークにおける制御の方法を応用して通信の渋滞を避けることが可能であることを示した。以上のように1年目としては最終的な目的のための第一歩に関して順調に研究が進展してきたと考えられる。国際学会における発表と国内学会における発表はそれぞれ1回ずつ行い。雑誌に1つの論文を掲載している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2年目以降に関しては、1年目の研究成果を踏まえてさらに高度な領域にまで研究を広げていく予定である。具体的には、これまでの情報通信経路の制御の方法を見直し、さらに渋滞を避けられる方法に改良することがあげられる。このために、経路決定のためのアルゴリズムを見直し、無駄のない決定までが速いものに改良する。さらに、情報通信モデルを現実のものに近づけ、実際に使われている通信経路プロトコルと改良した経路制御方式の性能を比較する予定である。さらに、コグニティブ無線通信ネットワークP2Pネットワークなどにおける通信経路制御方式を改良する予定である。ネットワークの構造に関するノードやリンクの故障などに関する頑健性と情報通信との関係を研究し、さらにコンピューターウイルスに対する耐性と情報通信モデルの関係を研究したい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品としては研究成果をわかりやすく印刷するためにプリンターを購入する予定であったが、機種選定が遅れていて現在は古いプリンターを活用している。このため、執行が遅れている。次年度に高性能プリンターを選定し購入する予定である。また、論文の別刷りの購入に関しては、請求が遅れており、支払う予定の金額が執行されていないため、次年度に支払う予定である。さらに、本研究と関連が深い国際会議が次年度に開催され、それに参加するため予算を先送りして備える必要があった。 至急プリンターを選定し支払う予定である。また、論文別刷りに関しても請求があり次第執行する予定である。さらに、関連が深い国際会議に参加し旅費等を執行する予定である。
|