2015 Fiscal Year Annual Research Report
自由自在なリメッシングに基づく三次元任意形状き裂の非線形進展解析
Project/Area Number |
25390157
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
岡田 裕 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50281738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 計算力学 / 三次元き裂進展解析 / 数値計算手法 / 弾塑性解析 / 大変形 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度及び26年度の目標は,離散化・弱形式の積分機能と変形履歴(応力・塑性ひずみとひずみ履歴パラメータ)記憶機能が分化した非線形有限要素法解析手法を構築すること.さらに,構築した解析プログラムを用いて拡散くびれ問題の例題検証を行うことであった.平成26年度は,三次元J積分やT*積分などの非線形き裂パラメータの計算に関する検討と,生成系き裂進展解析の試行を行うことが目標であった. 平成25年度の目標に対しては,拡散くびれ問題で期待した解析精度が得られなかったため,平成26年度も引続き拡散くびれ問題の解析を行い,拡散くびれ問題解析を精度良く実施することができた.しかし,その後解析プログラムに誤りが発見され,平成27年度に解析例題を増やしながら再度解析を実施した.その結果、目標としていた生成系き裂進展解析を行うことはできなかったが,静止き裂問題の解析と提案手法を用いたJ積分計算精度の検討を行った.その結果,前年度までに終了していた通常の有限要素法を用いた三次元J積分に比較し,提案手法を用いた場合のJ積分計算結果の精度にやや難のあることがわかった. 本研究の最も重要な成果は,離散化・弱形式の積分と変形履歴(応力・塑性ひずみとひずみ履歴パラメータ)記憶が機能分化した非線形有限要素法解析手法を構築し,MDP-FEM (Mesh-independent Data Point-FEM)と名付けたことである.大変形非線形解析における自由自在なリメッシュを可能にする新しい解析手法である.拡散くびれ問題への適用では,通常の有限要素法に比較してよりくびれ現象を適切に表現できたと考えられる.さらに,プログラム実装では,テンソル計算オペレーションライブラリAutoMTの試用をし,プログラムの高速化を図った. 今後は研究成果をまとめた論文の投稿を行い,生成系き裂進展解析を進めていく予定である.
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