2013 Fiscal Year Research-status Report
圏論的表現論とその母関数・力学系・代数統計への応用
Project/Area Number |
25400001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 知行 北海道大学, -, 名誉教授 (30002265)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | エレメントの圏 / 圏の普遍ゼータ関数 / 力学系のゼータ関数 / バーンサイド環 / 単項バーンサイド環 |
Research Abstract |
(1) "The Burnide rings and the universal zeta function of inite dynamical systems (バーンサイド環と有限力学系の普遍ゼータ関数)"(数理解析研究所講究録1872(1914.1))において,本研究の概要を解説した.無限巡回群の作用,有限力学系のゼータ関数を圏論的に解釈し直し,今後の研究の方向を示した. (2) 有限群の単項バーンサイド環とその周辺」近畿大学で行ったセミナー.小田文仁,中川暢夫などと研究打ち合わせで話した.単項バーンサイド環の圏論的導入を紹介した. (3) "The category of elements and its applications (エレメントの圏とその応用)"(2014/03/03京都大学)「代数的組み合わせ論研究集会」(数研)での1時間講演.エレメントの圏の概念が本研究でひとつの鍵になると考えられる.(a) 集合値関手のゼータ関数の微分と,その関手に付随するエレメントの圏の関係,(b) 有限群の単項バーンサイド環がエレメントの圏のグロタンディエック環であること,(c) 各種バーンサイド環のべき等元公式を求めるときに使うcofibrationの概念がエレメントのカテゴリーに他ならないこと,を示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) 1960年頃米田信夫が導入した「エレメントの圏」の概念が本研究の鍵となることが分かった.これにより研究は大きく進展した. (2) 竹ヶ原祐元(室蘭工大),小田文仁(近畿大学)などとの研究の連携が順調である. (3) S.Bouc(フランスCNRS) など海外の研究者もこの分野へ参入してきた.ただし圏論的取り扱いは得意でないようだ. (4) 有限群の表現論の統計学への応用については,緊急性の関係で中断している. (5) 鉛同位体法への数学(線形代数,射影幾何学,プリュッカー座標,連分数)の応用については,かなりの程度進展しているが,データの信頼性と計算機環境の問題を抱えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
中心的テーマ(力学系,バーンサイド環,普遍ゼータ関数など)については,これまでの方策で進めてゆく.同じ分野の研究者との交流の輪を広げたい. 代数統計への表現論の応用,および人文系科学への代数統計や代数学の応用については期待されるところが大きい.計算機環境を整えるため,パソコンを新たに導入したい.
|
Research Products
(2 results)