2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400030
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松木 敏彦 龍谷大学, 文学部, 教授 (20157283)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 古典群 |
Outline of Annual Research Achievements |
標数が2でない任意の体上の奇数次直交群の多重旗多様体について、有限型になるための必要十分条件についての論文を公表した。6月に数理解析研究所研究集会で発表したが、そのときに主定理の不完全なところを発見し、直ちに修正することができた。これによって、体の性質が有限型の条件に影響する場合が明確になり、結果がより興味深くなった。これについて、9月の日本数学会秋季総合分科会の函数解析学分科会で一般講演を行なった。 偶数次の場合について、有限型になるための条件を研究中である。奇数次のときと同様に、次数の小さい基本的な無限型の多重旗多様体を構成し、それを「含む」ものを排除することによって、有限型になるための条件を予想しようとしている。現在はこの段階であって、予想は完成していない。 1つの旗多様体が full の場合は Stembridge による分類と一致することはわかっているが、その分類自体がそもそも複雑であるので、偶数次の場合の予想に到達するためには時間がかかると思われる。 実旗多様体の軌道分解との関連も研究中である。これは、大島と小林による有限重複度の表現の分解に関連している。実単純リー群 G とその対称部分群 H の極小放物型部分群の組 (P, P_H) による G の軌道分解について、ルート系が同じであれば同じ軌道分解を持つと予想できるので、これまでの研究を生かして、研究できると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
奇数次の場合、結果は明瞭であったが、証明は複雑で大変であった。偶数次の場合、結果の予想もできていない。しかしながら、研究方法は明確になっているので、計画的に進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
偶数次直交群の多重旗多様体が有限型になるための条件を予想し、証明を与える。
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Causes of Carryover |
年度末に学内の委員会の仕事が忙しくて、研究のための出張ができなかったからである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年2月に1週間ドイツに出張予定である。また、いくつかの研究会でこれまでの研究成果を発表予定である。
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Research Products
(5 results)