2014 Fiscal Year Research-status Report
Almost Gorenstein環とUlrich加群の構造解析
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25400051
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
後藤 四郎 明治大学, 理工学部, 教授 (50060091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居相 真一郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50333125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 代数学 / 可換環論 / almost Gorenstein ring / canonical module / Ulrich module / Ulrich ideal |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,主に高次元almost Gorenstein環の基礎理論整備に従事した。Almost Gorenstein環の高次元化には,Ulrich加群とUlrichイデアルの理論が不可分に関連しているので,並行してUlrich加群とUlrichイデアルの構造解析にも着手した。 また,国内外における研究の進捗状況把握のため,11月にイランで開催された研究集会11-th Seminar on Commutative Algebra and Related Topics及び24-th Iranian Algebra Seminarに出席し,講演を行った。7月末に富山で行われた可換環論と特異点論の国際研究集会(Commutative Algebra and Singularity Theory)と11月末に行われた第36回可換環論シンポジウムにorganizerの一人として出席し,講演を行った。以上の成果は,下記論文に纏め,公表した。
[1] S. Goto, R. Takahashi, and N. Taniguchi, Almost Gorenstein rings - towards a theory of higher dimension, Journal of Pure and Applied Algebra, 219 (2015), 2666-2712. [2] S. Goto and K. Ozeki, The second Hilbert coefficients and the homological torsions of parameters, J. Pure and Appl. Algebra, 219 (2015), 1685-1703. [3] S. Goto, K. Ozeki, R. Takahashi, K.-i. Yoshida, and K.-i. Watanabe, Ulrich ideals and modules over two-dimensional rational singularities, Nagoya Math. J. (to appear)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Almost Gorenstein環論の目下の課題は,理論の高次元化とその展開にある。論文[1]によってalmost Gorenstein環の概念は,高次元の局所環・次数環へ拡張が成功した。Ulrich加群とUlrichイデアルの理論においても,2次元有理特異点の場合に有限CM表現型Gorenstein局所環内のUlrichイデアルを全て決定するなどの成果が挙がっている。以上,本研究は計画通り順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,本研究の集大成として,下記2課題の完成を目指す。 課題① イデアルのRees代数のalmost Gorenstein性解析 課題② Ulrichイデアルの汎在性解析 課題①は,例えばGorenstein局所環内のm-準素イデアルでI=Q:m(Qは巴系イデアル)という形のイデアルのRees代数のalmost Gorenstein性を解析する。また,2次元有理特異点内の整閉イデアルに関するRees環のalmost Gorenstein性を解明する計画である。 課題②は,最近,almost Gorenstein局所環論との関わりの中で,このような局所環内にはUlrichイデアルが比較的稀であるという知見が得られるにいたった。研究を進めて,almost Gorenstein局所環内でのUlrichイデアルの汎在性を解明したいと考える。また,日本数学会代数学分科会や第37回可換環論シンポジウムなど学会や各種研究集会へは積極的に出席し,関連する研究課題の進捗状況の掌握に努める計画である。研究分担者の居相真一郎氏とは,毎土曜日に開催されている明治大学可換環論セミナーや上記研究集会などを有効活用し,研究連絡・研究打ち合わせを行う。
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Causes of Carryover |
ネットワーク経由での相互連絡は順調で円滑であり,そのため,切手代金などの経費が節約できたことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究招聘経費の一部として使用する。
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Research Products
(10 results)