2014 Fiscal Year Research-status Report
閉リーマン面の退化族に関係する複素2次元特異点の研究
Project/Area Number |
25400064
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
都丸 正 群馬大学, 保健学研究科, 教授 (70132579)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特異点 / 閉リーマン面の退化族 / 極大イデアルサイクル / 基本サイクル / 擬斉次特異点 / Kummer被覆特異点 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉リーマン面に付随した特異点論における重要な対象として、特異点解消空間における極大イデアルサイクルと基本サイクルがある。また、複素2次元特異点の重要なクラスとして、擬斉次特異点のクラスがある。今野-長島とMengー奥間は擬斉次特異点の特殊なクラスであるBrieskorn型完全交叉特異点について、極大イデアルサイクルと基本サイクルが一致するための算術的な必要十分条件を求めている。Brieskorn型完全交叉特異点は非常に特殊なクラスであり、彼らの結果が一般の特異点においてどの程度成り立つかが問題である。 本科研費の研究では、一般の擬斉次特異点のクラスにおける極大イデアルサイクルを研究した。その結果、今野-長島とMengー奥間の結果の一部は一般の擬斉次特異点で成立することを示した。またその中でBrieskorn型完全交叉特異点よりかなり広いクラスである、擬斉次特異点のKummer被覆特異点の場合にも、極大イデアルサイクルと基本サイクルが一致するための十分条件を求めた。これらの結果で重要な鍵となるのが、中心曲線における係数の一致であることがわかる。極大イデアルサイクルを与えるreducedな同次元が存在するとき、中心曲線における係数の一致は、極大イデアルサイクルと基本サイクルの一致を導く。 以上の結果は、現在、泊昌孝氏(日本大学文理学部)との共著として論文原稿作成中であり、本年5月中旬には雑誌に投稿予定である。 また、これらの結果は擬斉次特異点を含む広いクラスである星形特異点に一般化の可能性があることが分かり、これらの研究に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多くの擬斉次特異点においては、極大イデアルサイクルと基本サイクルの一致は中心曲線での係数の一致と同値なことを証明したこと。Kummer被覆特異点において重要な成果を得たこと。 これまでの2年間の成果が論文として形になったこと。 現在、この研究の先の段階に取り組んでいること。
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Strategy for Future Research Activity |
擬斉次特異点より広いクラスである星形特異点について、この結果を拡張すること。
Kummer被覆特異点の特異点解消のアルゴリズムを明確に与えること。
Kummer被覆特異点がいつ、閉リーマン面の退化族と密接な関係をもつKodaira特異点になるか決定すること。
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Causes of Carryover |
13990円の繰越金が出ましたが、予定していた東京出張を体調不良で取りやめたことが理由です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
書籍購入資金と致します。
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Research Products
(2 results)