2014 Fiscal Year Research-status Report
等質空間上の概複素構造と共形幾何学的構造についての研究
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25400066
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 敬三 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (00208480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神島 芳宣 城西大学, 理学部, 教授 (10125304)
塚田 和美 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (30163760)
守屋 克洋 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 助教 (50322011)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ケーラー構造 / 局所共形ケーラー構造 / 簡約Lie群 / 可解Lie群 |
Outline of Annual Research Achievements |
等質局所共形ケーラー多様体の研究に関する一連の論文は,神島氏,D. AlekseevskyとV. Cortesとの共著「Homogeneous locally conformally Kaehler and Sasaki manifolds」が International Journal of Mathematics に掲載が決定した,この論文において,等質局所共形ケーラー多様体 G/K で G が簡約型の場合に,Vaisman構造をも つ為の十分条件として 「K の G における正規化群がコンパクト」を導いた。これは「コンパクト等質局所共形ケーラー多様体はVaisman」という,前論文「Compact Homogeneous Locally Conformally Kaehler Manifolds」(神島氏 (研究分担者) との共著で,現在投稿中)の主結果を拡張する結果になっている。また,非コンパクト簡約Lie群上の局所共形ケーラー構造でVaisman型でないものがあることが分かった。これらの諸結果を踏まえて, G が一般のLie群とした場合の等質Vaisman多様体 G/K,およびコンパクト局所等質Vaisman多様体,すなわちGの離散部分群Dによる等質Vaisman多様体G/Kの左からの商多様体,の決定問題に取り組んでいる。
研究活動のだいじな一環として,第3回研究集会「Complex Geometry and Lei Groups,2014年6月16日~20日, トリノ, イタリア, を開催し,世界各国から70名ほどの参加者があり,講演,研究交流を通して関連する研究分野の発展に大いに寄与できたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に述べた様に,コンパクト等質局所共形ケーラー多様体の場合の,複素多様体としての構造の決定,およびエルミーと多様体としてVaisman型であること,の結果に基づき,非コンパクトな場合,特にLie群の場合および局所等質多様体の場合に結果を部分的に拡張,発展させることができた。
研究会「複素幾何学とLie群」を第1回(2007年6月,新潟),第2回(2010年9月,湯沢)に引き続いて,今回,第3回(2014年6月,トリノ,イタリア)をトリノ大学のFinoおよび大阪大学の後藤氏の協力のものに,国際的な研究会に発展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
等質ケーラー多様体の分類問題の解決,ケーラー構造を許容するコンパクト可解多様体の決定問題の解決,に伴って,非ケーラー複素多様体の研究対象としての複素等質多様体に関する研究論文が多くなって来ている。実際に,この分野における新たな結果が次々に得られている一方で,未解決の問題や興味ある問題もまた多く存在しています。「研究実績の概要」に述べた,等質または局所等質・局所共形ケーラー多様体に関する決定問題,等質または局所等質・Vaisman構造に関する決定問題など。また,複素構造に関する問題として,コンパクト可解 (冪零) 多様体M=G/D,ここでDはGの離散部分群,上の複素構造に関して,G上の左不変な複素構造は,冪零群の場合は複素アファイン空間と双正則同値になるか,可解群の場合はどうか。コンパクト冪零多様体の場合には,第1チャーンクラスが消えることが知られているが,コンパクト可解多様体の場合にはどうか。M=G/D上の左不変な複素構造の変形はまた左不変になるか。これは可解多様体の場合には反例がある。また,M=G/Dのある構造(複素構造,コホモロジー群など)を保ったままで標準的な形G'/D'で表す改変(Modification)の問題など。今後はこの分野の研究者との研究交流を通じてこれらの諸問題に取り組んで行きたい。
その研究活動の一環として,第4回国際研究会「複素幾何学とLie群」を,2016年3月20日~28日,奈良ー大阪,にて予定しています。この分野のさらなる発展を期待しています。
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Causes of Carryover |
第3回研究集会「複素幾何学とLie群」2014年6月,トリノ,イタリア,開催のための資金が当初の予定より少なくて済んだ。来年度以降の研究活動にあてることとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
第4回 国際研究会「複素幾何学とLie群」2016年3月20日~28日,奈良ー大阪,の開催するにあたり, 研究者の招聘等に使用する。
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Research Products
(9 results)