2017 Fiscal Year Annual Research Report
Contact topology from the view point of round surgery
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25400077
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
足立 二郎 北海道大学, 理学研究院, 研究院研究員 (20374184)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 接触構造 / ラウンド手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな目的は,ラウンド手術の視点から接触トポロジーの統一理論を目指すことにある.2017年度は本研究課題の最終年度ということもあり,昨年度までの高次元での研究の他に,低次元での研究や,高階での研究にも着手することになった.決定的な結果に至ったとは言えないかもしれないが,本研究課題の手法であるラウンド手術の手法が各方面で有効である統一的な理論であることを,ある程度は実証できたのではないかと考えられる.これにより,特に低次元で発展している手法を高次元,高階に応用することが可能になり,相互作用によりブレークスルーが期待できると言う意味で,非常に意義のある重要な研究実績であると考えられる.しかし,土台を整えたにとどまり,本研究課題の期間中にそのブレークスルーまでに到達出来なかったことは,少々残念ではある.今後も引き続き研究をつき進めたい. 高次元では昨年度に引き続き,接触構造の柔軟性と「シンプレクティック充填可能性」に関するあるわずかな差異の判別を目指した.埋め込まれた超曲面上の特性葉層を道具に柔軟性の特徴付けを追っていたのであるが,さらに精緻な分析が必要であることが分かった. 低次元では,接触ラウンド手術に対する手術図式を考えることによって,結果としての接触多様体の例を構成することを考えた. 高階では,2重ラウンド手術によるエンゲル多様体の構成法を考察した. また,ポーランドに於ける特異点理論関連の国際研究集会の実行に関わった.これは広範囲の特異点理論関連の研究者が集まる集会で,本研究課題に関わる情報交換や共同研究への議論もでき,非常に有意義であった.本研究課題の予算から数十人の参加者への援助を行って集会の成功に寄与することができたことは,本研究課題の遂行と今後の発展のためにも良かったと思う.
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