2014 Fiscal Year Research-status Report
安定ホモトピー圏のquasi-categoryを用いた研究
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25400092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鳥居 猛 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (30341407)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 安定ホモトピー圏 / quasi-category / ホモトピー論的代数幾何 / クロマティックホモトピー論 / ホモトピー固定点スペクトラム / Bousfield 局所化 / Lubin-Tate コホモロジー / Morava K理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
Gを副有限群とすると、離散G集合を基礎とする離散G対称スペクトラムを考えることができる。離散G対称スペクトラムは、安定ホモトピー圏におけるGalois拡大を定式化しようとすると自然に現れる概念である。今年度は離散G対称スペクトラムのモデル構造とそれに付随するquasi-categoryについて研究を行い、主に次の結果を得た。離散G対称スペクトラムのモデル構造とそのBousfield局所化の基本的性質を調べ、特にそのモノイダル構造との両立性を示した。離散G対称スペクトラムにおけるモノイド対称Aに対して、A加群の圏を考えることができる。また、モノイドの準同型A\to Bに対して、基底変換と忘却関手によりA加群の圏とB加群の圏の間の随伴が存在する。この随伴とホモトピー固定点関手の関係について調べた。特に、K(n)局所圏がK(n)局所離散G_n対称スペクトラムの中のE_n加群の圏に埋め込めることおよび、K(n)局所離散G_n対称スペクトラムのE_n加群の圏からG_nホモトピー固定点が同値を導く射を可逆にした局所化圏がK(n)局所圏と同値になることを示した。環スペクトラム射A\to Bに対して、(B\wedge_A B)余加群スペクトラムのなすquasi-categoryを定義し、適当な条件のもとでこのquasi-categoryが離散G対称スペクトラムの圏におけるB加群のなすモデル圏に付随するquasi-categoryと同値になることを示した。また、適当な条件のもとで、離散G対称スペクトラムの埋め込みとスペクトラムの余加群のquasi-categoryへの埋め込みの定式化が同値であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたとおり今年度は離散G対称スペクトラムのモデル構造と付随するquasi-categoryについて調べた。また、これまでに得られた結果を論文にまとめ現在投稿中である。これらから研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度度の研究に引き続きMU\wedge MU余加群のquasi-categoryのBousfield局所化について研究する。Morava K理論K(n)で局所化された圏は安定ホモトピー圏の基本構成単位であり非常に重要である。平成27年度以降は特にK(n)とK(n+1)それぞれで局所化された圏の関係について研究する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主な理由は予定していた研究集会の運営費用が予想よりも少なくすんだためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究集会の実施や参加および国内外の研究者との研究打ち合わせなどを行うためにかかる旅費として主に使用する予定である。また、論文や研究資料の作成のためのコンピュータ関係の購入費および資料参考文献として必要な図書の購入費としても使用する予定である。
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