2015 Fiscal Year Research-status Report
安定ホモトピー圏のquasi-categoryを用いた研究
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25400092
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鳥居 猛 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (30341407)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 安定ホモトピー圏 / quasi-category / Bousfiled局所化 / Morava K理論 / Johnson-Wilson理論 / 離散Gスペクトラム / Morava E理論 / 降下スペクトル系列 |
Outline of Annual Research Achievements |
安定ホモトピー圏の構造について(∞,1)圏のモデルのひとつであるquasi-categoryの理論を用いて研究した。安定ホモトピー圏の対象であるスペクトラムは空間の一般化であり、安定ホモトピー圏はある意味で空間のホモトピー圏の線型化と考えられる。またその持ち上げとしてスペクトラムのquasi-categoryが定義される。今年度はスペクトラムのquasi-categoryのMorava K理論あるいはJohnson-Wilson理論による局所化について研究した。
一般にS代数スペクトラムAに対して余代数スペクトラムA\otimes AおよびA\otimes A上の余加群スペクトラムのquasi-categoryを定義することができ、スペクトラムのquasi-categoryのAに関するBousfield局所化の適当な充満部分圏をA\otimes A余加群スペクトラムのquasi-categoryへ埋め込むことができる。今年度は特にMorava KスペクトラムおよびJohnson-Wilsonスペクトラムに関する上記埋め込みはBousfiled局所化圏と余加群スペクトラムのquasi-categoryの同値を与えることを示した。これよりMorava Kスペクトラムによる局所化圏をMorava EスペクトラムのG_n離散作用モデルとなる可換代数上の加群スペクトラムのquasi-categoryのある充満部分圏と同一視できることがわかる。また、これら埋め込みに付随する随伴関手およびスペクトル系列の収束性について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度はMorava KスペクトラムやJohnson-Wilsonスペクトラムにより局所化した安定ホモトピー圏のモデルとして対応する余加群のquasi-categoryがとれることを示した。研究計画では今年度中にこれらのモデルを使って局所化圏の間の関係を調べる予定であったが、そこまで進めることはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は安定ホモトピー圏の異なるBousfield局所化の間の関係を調べるために、対応する余加群のquasi-categoryの性質およびその間の関係について調べる。
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