2014 Fiscal Year Research-status Report
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25400099
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松元 重則 日本大学, 理工学部, 教授 (80060143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 葉層構造 / 葉向調和関数 / 微分可能同相群 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.F をコンパクト多様体 M 上の葉層構造とし、g を,葉向リーマン計量とする。このとき、葉向ラプラシアンが定まり、それが消える関数を葉向調和関数と呼ぶ。(M,F,g) が定値でない連続な葉向調和関数を持つかという問題は興味深く、様々な研究がなされている。本研究では、この問題を、F が余次元 1 の場合に考え、次を得た。「 F が横断的に等長的なとき、M 上の連続葉向調和関数は定値関数に限る。」この結果は、Feres と Zhegib による、先行研究において、必要であった 計量 g に関する条件を取り払うことに成功したものである。証明は、葉向ブラウン運動の性質をくわしく調べることにより、与えられたものである。 2. 25年ほど前に Etienne Ghys により次のような問題が挙げられた。「 n 次元の多様体の Cr 級微分同相写像のなす群が n-1 以下の次元の多様体に Cp 級に作用することができるか」作用を連続なものに限れば、できないことは30年以上前から知られていた。したがって、問題は連続とは限らない作用に関するものである。これについて 2012年にKathryn Mann は、n を2以上とし、r を n+1 でないとしたとき、n 次元多様体 M の Cr 級微分同相写像で台がコンパクトなもののなす群 G は1次元多様体に C2 級に作用することはできないことを示した。本研究では、証明の簡明化を目指し、わかりやすい証明を得た。さらに、実は C1 級にも作用できないことを示した。この部分の証明には、Bonatti, Monteverde, Navas, Rivas による Baumslag-Slitar 群 BS(1,2) の実直線上への C1 級作用についての結果が用いられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究に没頭できる時間を比較的多く持てたことが最大の理由と思われる。他に、海外の研究者とのメールによるやり取りが大いに役に立っている。また、2013年に東京での葉層構造についての研究集会に参加できたこと、2014年にソウルでの国際数学者会議およびマドリードでの葉層構造についての国際会議に参加でき、様々な研究者と情報交換ができたことも、理由として挙げられよう。これらは、科研費による出張によるものであり、感謝の念を禁じえない。
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Strategy for Future Research Activity |
葉層構造について次の点を中心に研究を推進したい。 1.調和測度の同程度分布性。 2.葉層測地流および葉層ホロサイクル流の性質の解明。 3. 葉層コホモロジーの計算。
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Causes of Carryover |
予定の国内出張が多忙のため実施できなくなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費に充填する。
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Research Products
(4 results)