2015 Fiscal Year Research-status Report
3次元多様体の基本群の副有限完備化と位相不変量の関係について
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25400101
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
北野 晃朗 創価大学, 理工学部, 教授 (90272658)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Reidemeister torsion / homology 3-sphere / torus knot / figure-eight knot / SL(2;C)-representation |
Outline of Annual Research Achievements |
基本群の表現を用いた位相不変量であるReidemeister torsionの研究を行った.Reidemeister torsionに関係する研究はこの数年間続けており, これまでの結果のさらなる精密化を行った. 特に3次元球面内の(p,q)-torus knotの1/n-Dehn surgeryにより得られるBrieskorn ホモロジー3球面に関して,SL(2;C)-表現のReidemeister torsionをゼロ点に持つ多項式を考えることができる.その多項式をsurgeryする前のtorus knotの補空間の基本群の表現の共役類の空間の連結成分に対応して因数分解することができ,それぞれの因子に対して, surgery係数のnに関する3項間の関係式を証明をした.これまでは技術的な理由から(p,q)の組に条件を課していたが, 単に互いに素;(p,q)=1という条件のみで定式化することができた. また8の字結び目の1/n-Dehn surgeryして得られるホモロジー3球面に対して, SL(2;C)-表現に対応するReidemeister torsionの値の表現の共役類の空間上の振る舞いに関して,8の字結び目のmeridianに対応する元の表現の像のtraceを用いて表す公式を得た. この上記,2つの結果は数年前より部分的に得られていたものを最終的な形に整理し,3本の論文にまとめた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の研究計画の中で具体的に考えていた問題に関しては,海外の幾つかのグループにより解決されてしまった.それよりさらに研究を進めることに関しては,具体的な群に対して実際に副有限完備化を実行すること自体が現状では一部の特別な例以外では困難である.具体的な取り扱いがほとんど出来ていないことが原因でより一般的な考察はできない状況にある. また,2015年度に関しては,2015年11月のフランス・パリにおける同時テロにより出張も取りやめるなど,研究の環境に関する外的な要因も存在した.
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Strategy for Future Research Activity |
基本群に関係する位相不変量,特にReidemeister torsionの性質に関するこれまでの結果をより精密化し,そこを取っ掛かりとして基本群の非可換性に関係する性質,また副有限化に関係する性質を導き出す道筋を見つけたいと考えている. そのために様々な海外の情勢を見た検討した上で,海外からこの分野の第一線の研究者を招聘し,あるいはこちらから海外出張をして,専門知識の供与を受け,研究課題に関する議論を行うことによって,研究を進める.
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Causes of Carryover |
2015年11月にフランス・パリで起きたテロが発生し, その後もヨーロッパ全体で厳戒態勢となり,治安情勢を考慮して出張の計画を変更したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
出張を取りやめたので、旅費として使用する.具体的には,これまでの研究の進捗, あるいは得られている研究結果に関してレビューを受けるために海外からの研究者を招聘することを計画している. 但し先方の都合もあるので場合によってはこちらから出張をして, 実行をすることも検討する. また場合によっては, 国内の研究者からレビューを受けることもあり得る..
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