2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400110
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻本 諭 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60287977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 佳正 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50172458)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 直交多項式 |
Outline of Annual Research Achievements |
古典直交多項式とその拡張に関する研究として,例外型直交多項式とBannai-Ito多項式と特に取り上げることで,様々な観点から解析を加えた.まず,例外型直交多項式について,例外型Laguerre多項式および例外型Jacobi多項式の漸化式構造について新しい知見を得た.特に,漸化式の項数について,一般にこれまでより少ない項数の漸化式を満たすことを例外型の型に依らず成り立つことを示した.これは待ち行列理論への応用などを図る上での出発点となるものと考えられる.さらに,新たに古典直交多項式として見なされるに至ったBannai-Ito多項式についても,鏡映演算子を含むDunkl型微分演算子に対するDarboux変換を導入することにより,例外型拡張である例外型Bannai-Ito多項式の系列を構成することが可能となった.これらは,古典直交多項式の自然な拡張である例外型直交多項式に関する基礎的な研究である.また,オートマトン群と箱玉系との関係を調べる中で,オートマトンによって表示された箱玉系に関しても進展があった.例えば,ソリトン性を有する箱玉系として,Takahashi-Satsumaとその拡張にはみられない特徴をもつルールを与えることが可能となった.また,Lamplighter群との関係についても,単純なシフト力学系のみではなく,状態数3および4のオートマトンで表される箱玉系との類似性を見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
古典直交多項式とその一般化に関する研究として,例外型直交多項式に関する研究が進展した.特に,漸化式の構造に関する結果は,基礎的な事実であり,待ち行列理論への応用などを図る上での出発点となるもので需要であると考えている.加えて,これまでのBannai-Ito多項式に関する研究成果を下に,その例外型拡張にも成功していおり,この方向性も今後とも重要である.また,箱玉系のスペクトル解析の研究から新しい箱玉系も見出すことに成功しており,オートマトンの観点から有用性が明らかになりつつあり,今後の発展が十分期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
例外型直交多項式に関する研究成果である漸化式構造や古典性に関する研究をよりすすめていくことで,待ち行列理論への応用などを図る.また,オートマトンの観点から箱玉系を見直すことで,オートマトンそのものの解析手法を確立していきたい.
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Causes of Carryover |
当初,海外出張を計画したが,都合により出張できなくなったため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
北京で開催される国際会議であるICIAMに参加する予定である.
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Research Products
(2 results)