2015 Fiscal Year Research-status Report
バナッハ空間における直交分解とその数学的諸分野への応用
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25400124
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
本田 卓 岩手大学, 教育学部, 准教授 (30633531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川田 浩一 岩手大学, 教育学部, 教授 (70271830)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 関数解析 / バナッハ空間 / 作用素論 / 非線形関数解析 / 解析的数論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、バナッハ空間の直交分解を利用して、バナッハ空間の構造を明らかにすることを目的にしている。本年度は、昨年度にタイで催された国際研究集会The Ninth International Conference on Nonlinear Analysis and Convex Analysis (NACA2015)で発表した直交分解を線形射影の収束定理に応用した研究を、本田が中心になり、学術論文Convergence theorems of linear contractive projections in Banach spaces (Proceedings of The Ninth International Conference on Nonlinear Analysis and Convex Analysis)としてまとめ出版した。バナッハ空間における線形射影の収束定理に、非線関数解析的手法を用いたもので、条件付き期待値に適用するなど、確率論などへの応用を目指している。バナッハ空間の直交分解は、2つの結合安定分布に従う確率変数とcovariationノルムとの関係においても用いられている。安定分布への応用については、川崎氏(岩手大)の助言のもと研究を行っているところである。また、川田が、Goldbach問題の研究を通し、数論的見地での応用の可能性を考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度当初には予期していなかった大学内の業務が多くなり、研究集会への出席などを控えざるを得なかった。ただし、論文の出版など、一定の成果は得られたため、「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者との協力の下、これまでの研究成果をより発展させるため、線形写像の半群の理論を、より一般の非線形写像を含む半群の理論へ拡張していくことを目指す。また、27年度から続く、確率論への応用も試みる。
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Causes of Carryover |
年度当初には予期していなかった大学内の業務が多く、研究集会等への出席を見合わせたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度の研究成果の発表など、国際研究集会に出席のための旅費等に充当する。
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