2014 Fiscal Year Research-status Report
フラクショナル・ブラウン運動の滞在時間に関する極限定理の研究
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25400128
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小杉 のぶ子 中央大学, 経済学部, 教授 (20302995)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多項式行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
フラクショナル・ブラウン運動は自己相似性をもつガウス過程である。ガウス過程の分布は、期待値と共分散行列により決定され、その滞在時間の漸近挙動を調べるに際して、共分散行列の行列式の評価が必要となる。このため、主に行列式の評価式について研究を進めた。行列に関する文献を代数ならびに工学の分野での成果も含め幅広く当たっていた際に派生した問題として、二変量多項式行列に関するBezout方程式について研究を行った。具体的には、二変量の関係が整関数であらわされ、二変量多項式行列に関するBezout方程式を一変量多項式行列に関するものに帰着させることができる場合について調べ、具体的な計算の手法についても示した。多変量多項式行列に関するBezout方程式の解法は、二変量の場合に比べてかなり難しくなるが、これについても研究を行い、新たな結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
行列に関連する新たな計算手法を得ることができたものの、研究課題であるフラクショナル・ブラウン運動に適用できるような新しい共分散行列の評価式は得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
フラクショナル・ブラウン運動を含むガウス過程に適用できるような行列式の評価式を導くためにさらにサーベイを進め、 共分散行列の漸近挙動について研究を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究課題を申請したときには、国内および海外で行われる研究集会への参加を予定しており、旅費に比較的大きな金額を計上していたが、現在はそのときとは異なる研究機関に勤務している。現在所属している研究機関では、授業期間中の出張は原則禁じられており、それ以外の期間でも、会議や学事予定がある場合には出張の許可が下りず、旅費の未使用が増えたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
書籍、ならびに論文の購入費用に充てることとする。
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