2017 Fiscal Year Research-status Report
フラクショナル・ブラウン運動の滞在時間に関する極限定理の研究
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25400128
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小杉 のぶ子 中央大学, 経済学部, 教授 (20302995)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 共分散行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
正規性と自己相似性をもつ確率過程であるフラクショナル・ブラウン運動の分布は期待値と共分散行列により決定される。このことから、フラクショナル・ブラウン運動の滞在時間に関する問題を考えるうえで、標準化した増分の共分散行列の行列式を評価することは重要である。共分散行列の行列式について、実際の数値を用いた結果を踏まえ、下からの評価を行うことに主眼をおき、研究を進めた。フラクショナル・ブラウン運動の自己相似性のパラメータが1/2よりも大きい場合についての行列式の評価は、様々な種類の計算をしてみたものの、どれも途中でうまくいかなくなってしまった。過去のガウス過程を扱った研究論文などにおいても、フラクショナル・ブラウン運動におけるパラメータが1/2以下の場合に限り行列式を評価していることから、当初から難しいことは予想されたのであるが、論文として発表できるような結果は出ていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
実際の数値による計算から共分散行列の行列式を評価できることは予想できるが、ガウス過程への適用においては、条件を広くした形での評価式が必要となっていることから、研究は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
共分散行列の行列式の評価について、一般的な形で行えない場合にも、細かい条件をつけた形で現在わかっている評価式を少しでも進展させた形であらわし、フラクショナル・ブラウン運動の滞在時間に関する問題に適用していきたい。
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Causes of Carryover |
研究課題を申請したときには、国内および海外で行われる研究集会への参加を予定しており、旅費に比較的大きな金額を計上していたが、現在はそのときとは異なる研究機関に勤務している。現在所属している研究機関では、授業期間や会議などがある際には、原則として出張が認めらない。また、それに加えて父が病気になりその介護などの必要が生じ、旅費を全く使えず、次年度使用額が生じた。 次年度使用額については、書籍、資料、ならびにコンピュータソフトの購入費用に充てることとする。
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