2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on occupation times of fractional Brownian motion
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25400128
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
小杉 のぶ子 中央大学, 経済学部, 教授 (20302995)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 共分散行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
正規性と自己相似性をもつ確率過程であるフラクショナル・ブラウン運動の分布は、期待値と分散により決定される。このことから、n次元フラクショナル・ブラウン運動の滞在時間に関する問題に取り組むためには、その共分散行列の漸近挙動について考える必要があり、行列式を評価することに主眼を置いて研究を進めた。滞在時間に関する研究で現在必要としている行列式の評価において、上からの評価式は一般的によく知られているもので十分であることがわかっている。そこで、行列式を下から評価する方法を模索した。フラクショナル・ブラウン運動の自己相似性のパラメータH(0<H<1)が1/2以下である場合には、共分散行列が dominant principal diagonalをもつため、行列式を下から評価できていることがわかった。本研究では、フラクショナル・ブラウン運動のパラメータHが1/2よりも大きい場合について扱ったのだが、この場合には共分散行列はdominant principal diagonalのようなよい性質をもたず、行列式の下からの評価をどのようにすればよいかが問題となった。代数系の論文を調べたところ、行列式の下からの評価について扱っているものは非常に少なかったのだが、その中で行列の固有値を用いて行列式を下から評価しているものがあった。そこで、フラクショナル・ブラウン運動の標準化した増分の共分散行列、すなわち相関行列にこの結果を適用し、フラクショナル・ブラウン運動のパラメータが1/2より大きい場合について、相関行列の行列式が下から評価できることを示した。
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Research Products
(1 results)