2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐藤 秀一 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (20162430)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | singular integrals / Fourier expansion |
Research Abstract |
(1) 3次元Euclid 空間上で関数空間 QA を考える. 関数空間 QA において球面調和関数展開のオーダー1/2のチェザロ平均が概収束することが証明された. さらに, 類似の結果が2次元以上のEuclid 空間上の多重周期関数のクリティカルオーダーのBochner-Riesz平均に対しても証明された. 関数空間 QA は Antonov 空間 LlogLlogloglogL を真の部分集合として含むことが知られているので, この結果は1次元の周期関数の Fourier 級数に対する Antonov の結果の高次元への一般化を特別の場合として含んでいる. Antonov の結果は有名な Carleson-Huntの Lp 関数に対するFourier 級数の概収束に関する結果の精密化である. これらの結果は国際的な専門雑誌に出版が決まっている. (2) Heisenberg 群を含むhomogeneous 群上である種の特異積分作用素と最大特異積分作用素を考えて, それらの作用素の Lp 空間上での有界性が示された. ここで, 特異積分作用素には滑らかさの正則性が仮定されていなく, サイズに関する最小の仮定と cancellation に関する仮定が置かれているのみである. 特異積分作用素に関する結果は T.Taoの結果を一般化している. また, 最大特異積分作用素に関する結果は新しいものである. 証明方法は外挿法である. さらに, ある種の特異積分作用素と最大特異積分作用素に対して精密な荷重 Lp ノルム不等式が証明された. これらの結果は国際的な専門雑誌に出版されている. (3) 直積 homogeneous 群上のある種の多重パラメータ特異積分作用素と最大特異積分作用素に対してLp 空間上での有界性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特異積分作用素の研究は北京師範大学の Y. Ding 氏との共同研究により直積homogeneous 群上の多重パラメータ特異積分作用素とhomogeneous 群上の Marcinkiewicz 積分に関してよい結果が得られている.しかし, 滑らかさの正則性のない非斉次核から定義される Calderon-Zygmund 型(パラボリック)特異積分作用素の 弱 (1,1) 有界性及びこのような特異積分核から定義される F.Ricci-E.M.Stein 型の(多項式相関数の振動因子を持つ)振動特異積分作用素に対する弱 (1,1) 有界性を示すことに対してははまだ研究が進んでいない.
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Strategy for Future Research Activity |
海外の研究者と協力して行きたい. 球面平均作用素(spherical mean)とクリティカルオーダーの Bochner-Riesz 平均のある種の類似性が知られている. M. Christ は球面平均作用素から定義される間隙最大関数(lacunary maximal function) がHardy空間 H1 から weak L1空間への有界な作用素を定義することを示した.しかし,M. Christはこの論文において詳しい証明を与えていない.この結果はクリティカルオーダーのBochner-Riesz平均の間隙概収束・発散問題と深く関係していると思われる.そこで, 球面平均作用素に対するこの結果に独自の証明を与えたい. これにより,クリティカルオーダーのBochner-Riesz 平均に対する理解も深まると予想される, 研究課題のひとつであるn 次元 Euclid 空間においてクリティカルオーダー (n-1)/2 に対する Bochner-Riesz 平均が間隙概発散する可積分関数の存在を示すことにもつながることを期待したい.また, F.Ricci-E.M.Stein 型の(多項式相関数の振動因子を持つ)振動特異積分作用素に対する弱 (1,1) 有界性を示すために, 2次元の場合に集中して研究を行いたい.
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