2015 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
25400135
|
|---|
| Research Institution | Aichi University of Education |
|---|
Principal Investigator |
植村 英明 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30203483)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 重義 立命館大学, 理工学部, その他 (80101137)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
| Keywords | 確率フーリエ係数 / 非因果的関数 / Ogawa積分 / 確率フーリエ変換 / ハール関数系 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
確率フーリエ係数の系から元のランダムな被積分関数を復元する問題に取り組んだ。特に，確率フーリエ係数系のみがデータとして与えられた場合の復元可能性，並びに復元方法について考察した。復元を目指す被積分関数には非因果性を仮定し，確率フーリエ係数に用いる確率積分はOgawa積分を採用した。
平成２６年度の研究に於いては直交関数系として三角関数系を採用し，確率フーリエ係数のそれぞれに適当な重みを付けたフーリエ級数，すなわち確率フーリエ変換を構成し,被積分関数の復元へとつなげていった。しかしこの確率フーリエ変換の構成に於いて，重み付きフーリエ級数の収束性を保証するため，付加する重みを適切に選ぶとともに，被積分関数に対する仮定を置く必要を余儀なくされた。
そこでハール関数系を確率フーリエ係数を定義する際の直交関数系として採用した。この場合には，以前に課したものより緩い非負被積分関数の正則性の仮定のもとで，この確率フーリエ係数のハール関数系に関する（有限）フーリエ和からの被積分関数の復元が可能となることを示した。なお，この場合に於いてもやはり任意有限個の確率フーリエ係数はこの復元に寄与しないことが示された。これは通常のフーリエ係数の場合と状況を異にする現象で，確率フーリエ係数の特殊性を際立たせる結果だと思われる。この結果を学会やシンポジウムで発表し，結果を論文として纏めている。
|
