2016 Fiscal Year Annual Research Report
From abstract evolution equations to abstract partial differential equations - for applications to population dynamics models
Project/Area Number |
25400140
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
蚊戸 宣幸 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (40177423)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 個体数変動モデル / 最適制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
ある領域に生息している生物の個体数がどのように変化していくのかという問題を考える。その生息域内で各個体は空間的には拡散していくものとし,死亡,誕生,移入,相互作用などによる個体数密度の変化はサイズに依存するものとする。このようなものの典型的な例としては植物,魚,微生物などが挙げられる。本研究の目的の一つは,上記のような空間拡散を伴うサイズ構造化個体群動態モデルを考察するための枠組みとして,バナッハ空間上の抽象的偏微分方程式の理論を発展させることである。 28年度は,27年度の研究を応用することにより,空間拡散を伴う線形サイズ構造をもつ収穫モデルに対する最適収穫問題の最適解の存在を示した。この結果は,2016年8月にイギリスのスターリング大学を訪問した際にセミナーで発表した。その他,構造化モデルの理論の経済モデルへの応用について考察した。技術発展の元での新旧の資産への投資をモデル化した非線形積分方程式の最適制御問題についてアメリカの応用数学の研究者2人と共同研究を行った。この結果は,国際雑誌 J. Optim. Theory Appl. に論文として掲載された。 今回の研究では,空間拡散を伴うサイズ構造化個体群動態モデルに対する収穫問題の最適解の存在が示されたが,それまでは空間拡散のないものしか扱えなかった。ここでは,前年度に得られたバナッハ空間上の抽象的偏微分方程式の理論を応用できることが示されたことに意義がある。
|
Research Products
(3 results)