2015 Fiscal Year Annual Research Report
多重スケールの生命現象を記述する偏微分方程式についての研究
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25400148
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
久保 明達 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (60170023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 直樹 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 講師 (00549884)
梅沢 栄三 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (50318359)
星野 弘喜 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (80238740)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非局所項 / 腫瘍浸潤 / 増殖項 / マルチスケール / 数学解析 / シミュレーション / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題研究の最終年であり、これまでの成果の総仕上げに向けて研究を遂行した。 1 Chaplain-Lolasによる腫瘍浸潤モデルの数学解析とコンピュータシミュレーションについて仕上げを行い、論文として完成させた(Current Trends in Analysis and Applications, The proceedings of AIMS conference)。これはChaplain タイプの局所腫瘍浸潤モデルでは最も一般的なもので、さらにその一般化である非局所モデルを扱うためには、まずこのモデルについて数学解析とシミュレーションを完成させておく必要があった。成果を国内外の適切な学会等において発表した(Equadiff2015, 10th ISSAC conference)。 2 非局所腫瘍浸潤モデルの数学解析を継続して遂行した。その際、このモデルについて以前からの疑問点をChaplain氏自身に指摘していた(非局所項における定義域の不整合)。やはりこれは誤りであるという論文がChaplain自身によって提出され、同時に訂正がなされ、それは研究代表者が数学的に最も合理性があるとして予め考えていたものと一致した。しかしこの時点で、本課題研究期間の大半をこの困難点の正当化に費やしていたため、この訂正に沿った本格的研究は今後の課題となった。 3. 研究代表者は研究分担者らとともに、数学解析とシミュレーションから、非局所項の働きについて数理的、医学的に議論し、非局所項の機能として細胞移動を遅らせる働きがあり、すなわち様々な器官、組織のそうした役割を数理的に凝縮して記述しているものであると特徴づけた。 4. 研究代表者と研究分担者・連携研究者は、12月に平成27年度藤田保健衛生大学数理講演会を開催し、成果の確認を行うとともに、他分野との連携の可能性、情報の収集と研究討論を行った。
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Research Products
(9 results)