2014 Fiscal Year Research-status Report
単位球上の固有正則写像、単葉正則写像、調和写像に関する研究
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25400151
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
濱田 英隆 九州産業大学, 工学部, 教授 (30198808)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レブナー微分方程式 / 螺旋型領域 / ルンゲ領域 / シュワルツの補題 / シュワルツ・ピックの補題 / 多重調和写像 / 国際情報交換 / ルーマニア:カナダ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実績の概要は、以下のとおりである。 1. 回帰的複素バナッハ空間の単位球上で、レブナー微分方程式の解の存在と一意性の結果を得た。また、ユークリッド単位球上のg-パラメーター表現を持つ単葉正則写像の族の端点と支持点に関するさまざまな結果を得た。 2. 螺旋型領域がルンゲ領域であることを証明した。また、ある種の螺旋型領域上で、双正則写像が複素ユークリッド空間の自己同型写像によりコンパクト集合上一様近似できることを証明した。これらの結果の応用として、ある種の螺旋型領域がさらに完備双曲的であれば、その領域上のレブナー微分方程式の複素数に値を持つ解の存在と一意性に関する結果を得た。 3. ユークリッド単位球上の多重調和写像が単葉である、向きを保存する、擬等角である、双リプシツ微分同型写像である、線形連結な像を持つなどの十分条件を示した。また、ユークリッド単位球上の多重調和写像がユークリッド空間全体に擬等角拡張を持つための十分条件を与えた。次に、1変数の調和関数に対するシュワルツの補題を複素バナッハ空間の単位球上の多重調和写像に一般化した。更に、1変数の調和関数に対するシュワルツ・ピックの補題を複素バナッハ空間の等質単位球上の多重調和写像に一般化した。1変数の正則関数に対するシュワルツ・ピックの補題を複素バナッハ空間の等質単位球上の正則写像に一般化した。最後に、有限次元等質単位球上の多重調和写像や正則写像に対するランダウの定理やブロックの定理を証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的のうち、以下の研究成果を得た。単位球上のコンパクトな単葉正則写像の族の端点集合や支持点集合に関する成果を得、論文発表した。1変数の調和関数に対する単葉性判定条件を多変数の多重調和写像に拡張し、論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
A正規化されたレブナー鎖の第1要素の族の端点や支持点について研究する。また、レブナー鎖のレブナー変分について研究し、端点や支持点に応用する。固有正則写像の剛性問題についても引き続き研究する。
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Causes of Carryover |
有限・無限次元複素解析国際会議の第23 回目が、平成27 年8 月に九州産業大学で開催される予定であり、研究代表者が開催国組織委員長を務め、その準備を進めている。当初予定していなかった国際会議の準備開催費用が次年度必要なため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議の準備開催費用の一部として充当し、また、その他は、旅費を中心として使用する。
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