2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400154
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浦川 肇 東北大学, 国際教育院, 名誉教授 (50022679)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 調和写像 / 2-調和写像 / エネルギー / 2-エネルギー / バブリング現象 / m-エネルギー / リーマン多様体 / 非正曲率 |
Outline of Annual Research Achievements |
調和写像の拡張である2-調和写像理論の研究課題について下記のような成果を得た: (1)2-調和写像の自然な拡張である3-調和写像を考察し、エネルギーが有限で2-エネルギーも有限な非正曲率リーマン多様体への3-調和写像は調和写像に限るという一般化されたチェン予想に関する結果を得た。 (2)強擬凸リーマン多様体から非正曲率リーマン多様体への擬2-調和写像がエネルギー有限且つ2-エネルギー有限ならば、擬調和写像に限るという結果を得た。これは一般化されたチェン予想の CR 類比が成立することを意味する興味ある結果である。 (3)既約なコンパクト対称空間内の等質な2-調和超曲面をすべて決定するという重要な分類結果を得た。 (4)m-次元コンパクトリーマン多様体から n-次元コンパクトリーマン多様体へのエネルギー有限であり且つ m-エネルギー有限なもの全体の空間は必ずバブリング現象が起ること、すなわち、この空間は非常に小さい空間であることを示した。これは、この空間が分類可能であることを示す興味ある結果である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
我々の当初の計画は「調和写像の類比である2-調和写像理論を構築し、できればチェン予想の解決」を目指すというもので、正直、雲をつかむようなところからスタートした。しかしながら従来の研究状況との比較をすることにより、様々な類似する派生的な結果が得られるようになり、今回は「既約なコンパクト対称空間内の等質な2-調和超曲面をすべて分類するという決定的な結果を得ることができた。これは非常に大きな成果である、と言えよう。 また、「m-次元コンパクトリーマン多様体から n-次元コンパクトリーマン多様体へのエネルギー有限であり且つ m-エネルギー有限なもの全体の空間は必ずバブリング現象が起る」という成果は今後の研究を進める上で、大きな指針を与える結果である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、大きな未解決問題である「チェン予想」の解決を引き続いて目指すが、それと共に、他の関連分野において類似する概念をも考察し、同様の結果が成立するかどうかについても検証し、我々の研究の幅を広げて行きたい。
|
Research Products
(9 results)