2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400154
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浦川 肇 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 名誉教授 (50022679)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 調和写像 / 2-調和写像 / リーマン多様体 / 極小 / 埋め込み / 主曲率 / リー群 / 対称空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
調和写像の概念は1950年代に導入された。その一般化である2-調和写像の概念は1980年代に導入された。本研究はこれら二つの概念の差異がどのようになっているかを研究するものである。本研究については、下記のような研究成果を挙げることができた。これらの研究は国際的に注目を集めた。2015年1月韓国チェジュ大学、2016年6月イタリア・トレントでの研究会や2017年5月フランスのブレストでの研究会で招待講演を行ない、また、行なう予定である:(1)ターゲット空間が非正曲率空間の場合には、エネルギーと2-エネルギーが共に有限な2-調和写像は調和写像に限るという定理を示した、(2)ターゲット空間がコンパクト・リー群やコンパクト対称空間の場合に、調和でない2-調和写像の構成・分類を与える定理を与えた、(3)ドメイン空間がコーシー・リーマン多様体の場合に、新しく、コーシー・リーマン調和写像やコーシー・リーマン2-調和写像の概念を定義し、それらの特徴付け定理を与えた、(4)ドメイン空間が葉層リーマン多様体の場合に、葉層調和写像や葉層2-調和写像の概念を定義し、それらの特徴付け定理を与えた、(5)「任意のリーマン多様体が非極小かつ2-調和写像となるように埋め込まれる」という極めて一般的な定理を示した、(6)「ユークリッド空間内の主曲率が相異なり、包括条件を満たす、すなわち、正規直交枠の共変微分が一般的な条件を満たすもの場合には、2-調和超曲面は極小なものに限る」という、ターゲット空間がユークリッド空間の場合の2-調和写像に関する剛性定理を示した。これは現在もなお未解決である「 B.Y. Chen 予想」が正しいことを裏付ける定理で興味ある結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
首都大学東京大学院理工学研究科と大阪大学大学院理学研究科にそれぞれ良き研究協力者を得ることができ、それ等の人々との共同研究が順調に進み、順調に研究成果を挙げることができた。今後もさらに研究の進展が期待できる状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も上記の研究協力者たちと共同研究を続けるだけではなく、さらに今後は、島根大学、韓国のチェジュ大学やギリシャのパトラ大学の若い数学研究者たちとも共同研究を続けて行きたい。
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Research Products
(15 results)