2017 Fiscal Year Annual Research Report
Properties of solutions to dispersive equations
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25400162
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土居 伸一 大阪大学, 理学研究科, 教授 (00243006)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分散型方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
分散型方程式は、KdV 方程式、シュレディンガー方程式、薄板の方程式などを代表例とする偏微分方程式の重要なクラスであり、着目する性質によっては超局所的にスケール変換して考えることにより、双曲型方程式とも関係していることが知られている。本研究では、線形分散型方程式、特にシュレディンガー方程式の解の諸性質を方程式の表象の幾何との関連から解明することを目標としている。その一環として時間変数に関しては1階であるが空間変数に関しては2階以上であるような変数係数の分散型方程式に対する初期値問題の適切性を2乗可積分関数空間をもとにした枠組みで研究し、以下に述べるような結果を得た。 まず、主要部が楕円型と限らず、階数も2階とは限らない、一般の変数係数の分散型方程式に対して、初期値問題が適切であるためには、主表象に対する陪特性曲線に沿っての副主表象の積分の虚部の有界性が必要であることを示した。これは主要部が2階楕円型の場合についての既存の結果の自然な拡張となっている。 次に、主要部が楕円型と限らず、階数も2階とは限らない、変数係数の分散型方程式に対して、主要部の係数は有界であるが、主要部の階数に応じて低階項の係数があるオーダーで増大することを許容するような枠組みで、初期値問題が適切であるための十分条件を与えた。これは係数が有界な場合の既存の結果の拡張になっている。また楕円型とは限らない分散型方程式に対して、その主表象のハミルトン流に関する非捕捉性条件とある種のリヤプノフ関数の存在とが同等であることを示した。
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