2014 Fiscal Year Research-status Report
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25400179
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
望月 清 首都大学東京, 理工学研究科, 名誉教授 (80026773)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | レソルベント評価 / グラフ上の散乱問題 / 平滑化効果 / Strichartz 評価 / 散乱振幅 / レゾナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
磁場中の Schr"odinger 作用素の一様レゾルベント評価は高次元の場合には解決ずみであり、2次元の場合が未解決であったが、この解決を見、現在投稿中の論文が RIMS 弟 51 巻 2 号に掲載されることになった. また、グラフ上の Schr"odinger 作用素に対するスペクトル表現と散乱逆問題に対する結果もロシアの雑誌 Inverse Ill-Posed Problem に掲載が決まり、すでに電子ジャーナルとして閲覧可能である。 今回の研究課題は今年最終年を迎えるが、現在はレゾルベント評価を基にした関係する発展方程式(Schr"odinger 方程式、 Klein-Gordon 方程式、音響波動方程式等)の平滑化効果、また Strichartz 評価の導出に取り組み、結果を得つつある。部分的な結果を今年3月の数学会で発表した。最終結果をまとめるにはまだ少し時間が必要であるが、外部領域での問題を含んでいるので重要度は高いと思われる. この結果がまとまれば、非線形問題を含めた研究の進展に寄与できる. 1次元のグラフ上の Schr"odinger 作用素についてはスペクトル表現を基にした散乱理論の構成が出来、その逆問題も一意性を中心に結果が出ている。散乱行列からポテンシャルを再構成する問題は簡単ではないが、レゾナンスの現れ方などが解明され、解決への一歩は踏み出されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁場中の Schr"odinger 作用素に対するレゾルベントの一様評価が2次元のばあいも含めて求められている。これを基に関連する発展方程式の解の漸近挙動の解明に力点を移すことになるが、Hilbert 空間での平滑化効果から Banach 空間での Strichartz 評価が導かれるので、研究の最終年度である今年はこの問題に一定程度集中できそうである。 また、グラフ上の散乱逆問題も一意性の問題が解決している。散乱振幅(散乱行列)からのポテンシャルの再構成に向けた努力も続けられている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと推進方策はかわらない。主催する三大学偏微分方程式セミナーで内外の研究者との研究討論を活発に行う。特に若手の研究者達との交流を大切にしてアイデアの枯渇を防ぐとともに、新しい考えかたを学びたい。
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Causes of Carryover |
当初旅費としての使用を考えていたが、残高が予想より少し少なくなり、出張計画を取りやめた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額は少ないが、出張旅費にに加えて使用したいと考えている。
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