2013 Fiscal Year Research-status Report
部分構造への等質性を基軸とする単体的複体の構造解析
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25400191
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
八森 正泰 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00344862)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 単体的複体 / shellability / extendable shellability / vertex decomposability / マトロイド / 純骨格 |
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| Research Abstract |
本研究は、単体的複体の組合せ的構造の解析を対象とするトポロジー的組合せ論の研究として、単体的複体自身およびその部分構造が同じ性質を満たすような性質を中心に研究を展開することを目的としている。本年度は5年計画の本研究の初年度にあたり、実施計画通り、研究代表者による先行研究であるshellability, sequential Cohen-Macaulayness, partitionabilityに関して、頂点部分集合への制限に関する等質性に関する研究およびそこから得られる研究を整理して出発点とすることを出発点とすべく、研究を進めた。特に、頂点部分集合に等質的にshellableである（hereditary-shellableである）2次元複体の2次元純骨格がextendably shellableであることを示した結果の証明をより精密に分かりやすく改良を行い、これについての関連研究（vertex decomposabilityなど）を進めた。これは、これらの性質の純骨格に対する議論において重要な道具となることも示唆されており、今後の研究の重要な出発点をしっかりと確立できたと考えている。また、部分構造への等質性の代表例であるマトロイドの重要性も実施計画で述べており、マトロイド的性質の拡張という展望に言及しているが、このマトロイドの性質を半順序上で展開することを視野に、poset matroid等に関する基礎的な研究も少し進めた。これは次年度以降にさらに展開できることを期待している。研究に援用する計算機の導入に関しては、新しい機械の導入とその計算機環境の整備を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の研究実績に記載したように、現在のところ、申請書に記載している研究実施計画の初年度の計画に概ね沿って進んでおり、先行研究に関係し、本研究の出発点となる部分をかなり確立でき、また、研究実施計画作成時には漠然としていた、マトロイド的性質の拡張、に関しても、poset matroidという一つの手がかりを得たという感触を持っている。これがそのまま本研究の今後の展開につながるか否かはまだはっきりとはしないが、研究の目的に向けて、おおむね順調に進展している、と考えてよいと思われる。
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| Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載している研究実施計画の2年目の計画としては、初年度の研究を継承しながら、次の展開を考えていくこととなっている。その例として、shellability, sequential Cohen-Macaulaynes, partitionability以外の性質で重要なものはないかどうか、また、部分構造への等質性を考える上でどのような部分構造が他に考え得るか、ということを提示している。前者については、初年度の研究の中でvertex decomposabilityに言及しているのだが、これもその1つの候補としながら、よい展開ができるかどうか考えてみたい。また、後者については、上述の中で触れているposet matroidやそのさらなる拡張などを念頭におきつつ、部分構造への等質性という構造をどのように拡張できるのかを探ってみたい。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額として繰り越した金額は、3,985円である。この金額が、次年度繰り越しとなった理由を述べるに値する金額であるかどうかは見解の分かれるところと思われる。説明するとすると、申請した金額と交付された金額に差があること、本年度は年度当初見込んだほどには出張を行う機会を得なかったこと、購入物品の金額に上下が生じたこと、などによる差異を調整しながら運用する中でこの金額が最終的な誤差として発生し、この金額が小さいものであるため、この最後の誤差を解消するためにちょうどこの金額の物品を余分に選定して購入して辻褄を合わせるよりも、次年度に繰り越して使用した方が多少の利があるだろうと判断したためである。研究計画に大きい変更があったというわけではない。
この金額は、次年度への繰り越しによって計画が変更されるような金額ではないと考えており、また、研究計画も当初の申請書に沿って概ね進んでいることから、当初に見込んでいる通りに使用計画を進めて問題がなく、また、使用計画を変更する要因ともならないと考えている。
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