Outline of Annual Research Achievements |
(1) アフィン幾何AG(2n,4)における平面全体がなすデザインをアフィン一般線形群AGL(1,pow(4,2n))により固定される部分デザインに分割する手法を, AG(2n,3)における平面全体がなすデザインに対しても適用し, 部分デザインの数を最大にする分割方法を理論的に示すことができた. 更に,一般のnについて, ヤコビ和およびヴェイユ和のリフトにより, 分割された部分デザインの最大数が決定可能であることを示し, 具体的にnに値を与えAG(2n,4)およびAG(2n,3)の平面をすべて調べることにより, この数え上げの一般化理論の正しさを裏付けることができた.
(2) 重み3の衝突回避符号の最大符号語数は, 符号長が奇数についてはほとんど解明されていなかったが, 符号長n=pow(3,k)*pow(p,e) (kとeは非負の整数,pは3(mod 8)を満たす素数)に限定することで, タイトで最適な符号の構成法とともに最大符号語数を与えることができた. このような形の符号長をもつ衝突回避符号の存在が保証されたことにより, これまでは再帰的構成法が適用できず存在が未知であった符号長に対して最大符号語数が決定可能となった. この結果は査読付き国際雑誌に投稿中である.
(3) 重み4の衝突回避符号については, 等差符号に限定することにより, mを3の倍数でない奇数として, 符号長nがm, 2m, 6mとなる場合, および24mとなる場合の一部が体系化できていないものの, それ以外の符号長については最大符号語数を定式化することができた. この結果は査読付き国際雑誌に掲載予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1) AG(2n,3)の平面全体がなすデザインをAGL(1,pow(3,2n))により固定される部分デザインに分割する場合の最大分割数について, nが4の倍数でない場合にはnの関数として定式化することができた. また,AG(2n,4)の平面全体がなすデザインの分割についても, nが素因数として5を高々1つ含む場合についてはnの関数として定式化できた.
(2) 重み3の衝突回避符号の最大符号語数の決定に関して, 単群の性質を利用することで, 新たな奇数符号長のシリーズを与えることができた.
(3) 重み4の等差衝突回避符号について, 符号長全体の半分程度は最大符号語数が決定可能であることを示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
(1) アフィン幾何の平面全体がなすデザインの最大分割数に関して, これまでに得られた成果をまとめ, 査読付き国際雑誌に投稿する.
(2) 重み3の衝突回避符号の最大符号語数の決定に関し, 奇数符号長のシリーズn=pow(3,k)*pow(p,e)について, pが3(mod 8)を満たす素数の場合の理論をもとに, pが7(mod 8)を満たす素数に対して理論展開していく.
(3) 重み4の等差衝突回避符号において, 最大符号語数が決定でいていない符号長のうち, n=m, 2m (mは3の倍数でない正整数)の場合は, グラフを用いた特徴付けにとりかかっており, この作業を進めていく.
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