2014 Fiscal Year Research-status Report
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25400205
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
黒岩 大史 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (40284020)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 集合値計画法 / 統一的評価基準 / 埋め込み / 制約想定 / 最適性条件 / 双対理論 / 数理計画法 |
Outline of Annual Research Achievements |
『集合値計画問題』とは、実社会における多様な価値観を自然に表現することが可能な問題であり、集合値計画法の研究は、理論・応用の両面から発展が強く望まれている。集合値計画問題には主として二つの評価基準(l型およびu型の集合順序)があり、それぞれの基準を考察する際には別個に対応する必要があった。また実社会においてはこれらを同時に利用する場合もある(Jahnによる評価基準)ため、これら評価基準を統一的に考察できるような埋め込み手法を構築する必要性が大いに高まっていた。平成25年度の進捗状況を受け、平成26年度は次のような研究活動を行った。 ◇集合族上の二項関係であるl型、u型の集合順序を同時に扱えるような埋め込み手法を拡張し、Jahnによって導入された集合順序をも論じることが出来る、さらに統一的な埋め込み手法を発見した。この手法を用いることで、新規性かつ有用性のある、より細かく現象を表現できるような解の概念が得られている。 ◇不確実性を持つ多目的最適化理論を集合値最適化問題に帰着させ、最適解を統一的に論ずる手法を確立した。 ◇集合値写像について、スター準凸関数の埋め込み手法を用いた特徴付けや、凸関数の特徴付けを準凸関数およびアフィン関数を用うなど、集合値関数の拡張凸性に関する基礎的研究を行った。 ◇拡張凸最適化理論(DC最適化、逆凸最適化、分数最適化)について、最適性、制約想定、双対理論に関する基礎研究を行った。 ◇連携研究者との意見交換、国内外の関連する研究者との研究打合せを行い、研究を発展させた。また得られた結果は国際会議等で発表し、本研究に対する意見を広く求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で最も重要な部分である「埋め込み」についてさらに洗練出来たこと、および統一的な評価基準を用いて、不確実性を持つ多目的最適化理論を集合値最適化問題に帰着させ、最適解を統一的に論ずる手法を確立できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに推進させる。基礎理論の研究も引き続き充実させていく。
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Causes of Carryover |
共同研究のため大学に招待する予定だった研究者の都合がつかなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度に共同研究を実施予定である。
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