2015 Fiscal Year Research-status Report
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25400206
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Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
百武 弘登 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 教授 (70181120)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ランダム効果 / プロフィール分析 / 信頼区間 |
Outline of Annual Research Achievements |
欠測データがある場合について、ランダム効果をもつモデルに対する二標本問題においてプロフィール分析を考察した。この問題は、男児と女児の身体のある部位の成長が平行であるかどうか(成長の速さが同じといえるかどうか)などへの応用が考えられる。まず、平均ベクトルの平行性の検定を近似によらない精確な方法を Koizumi and Seo (2009, 日本計算機統計学会誌) をもとにして提案した。ただし、モデルの誤差およびランダム効果には正規性を仮定している。提案した方法は Koizumi and Seo (2009) を直接に適用するより検出力が大きくなることもわかった。次に、平行性のもとでの水準差の信頼区間を近似的に与えた。これは欠測データがない場合でさえ、ランダム効果の分散の推定量が負になる場合があり、推定量が2つの統計量の max で表されることから精確な信頼区間を与えることは困難である。本研究では、近似信頼区間の構成において、必要となる分布を、2つの統計量の分布関数の近似を与え、それを用いて、さらに適当な重みをつけた1次結合により近似した。この近似の良さをシミュレーションにより検証し、欠測を除いた標本数が極端に少なくない限り、おおむね良好であることがわかった。これらの成果をまとめた論文は、現在、学術誌に投稿中である。また、矯正歯科学分野の臨床研究への応用として、ミニインプラントが失敗すると考えられるいくつかの要因を取り上げ、ロジスティック回帰による統計解析を行い、インプラントの失敗に影響を与える要因を探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欠測データがある場合のプロフィール分析をランダム効果モデルへ適用した成果がまとまって、論文を執筆し統計関連の学術誌に投稿している段階である。また、将来的に関連するであろう研究として歯学分野の臨床研究に応用した論文の掲載が決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、混合効果モデルと測定誤差モデルを融合させた推測に関する論文が発表されたが、測定誤差モデルにおけるパラメータの信頼領域の構成については不十分な点がある。そこで、測定誤差およびモデル誤差の分散が既知ある場合について考察し、それをもとに未知である場合の信頼領域の近似を導出できることを示した。今後は、近似の精度を検証するためシミュレーションを行う。また、信頼領域を構成する段階で得られる新たなタイプの推定量の性質について考察する。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせの出張旅費について、パック旅行や飛行機の早割を利用したため大幅に節約できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
理論的な成果ができつつあり、医学関係の研究者とその応用への検討として最終的な研究打ち合わせの出張旅費としての使用予定、および最終年度として、成果を論文にして公表するときの学術誌への投稿料や別刷り料などへの使用を予定している。
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Research Products
(2 results)