2016 Fiscal Year Research-status Report
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25400207
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
嘉田 勝 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00312447)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 公理的集合論 / 位相空間論 / 強制法 / 巨大基数 / 基数不変量 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、集合論的位相空間論と巨大基数理論を結びつけて研究を進展させることをもくろみ、その準備として、巨大基数理論および位相空間論に関する最新の研究の動向を探るために研究集会への出席や研究打合せを積極的に行った。 具体的には、平成28年11月28日から京都大学数理解析研究所での研究集会の出席および、同集会の会期中に行った石井大海氏(筑波大学大学院生)との集中討論、平成28年12月9日からの筑波大学でのジェネラルトポロジーシンポジウム、平成29年2月23日の愛媛大学での位相空間論セミナーなどに参加した。 これらの活動で得た、最近の研究で用いられている新たな数学的手法を精査し、位相空間論における未解決問題への新たな糸口として活用できるかどうか、検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題の開始のおよそ1年後から、研究代表者の健康状態が急激に悪化し、その後少しずつ快復に向かっているものの、健康状態は依然としてよくない。また、平成28年度は大学における教育の負担が増加したこともあり、数学の問題を集中的に考察できる時間を確保することが困難だった。そのため、今年度は教育の業務に支障の無い範囲での学会出席や他の学会参加者との討論を中心に、研究課題に関連する最近の研究動向の調査を中心に活動するにとどまり、独自の考察や連携研究者との討論によって新たな数学的結果を得るには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
強制法理論、巨大基数の理論、公理的集合論の最近の研究動向については、これまでの研究で情報を蓄積してきた。今後は、自身の健康問題に留意しながら、できる限り数学の問題の考察に必要な時間と環境をととのえ、公理的集合論研究者の立場から集合論的位相空間論のより深い結果を見出すという当初の目標を見据え、査読あり論文への投稿や研究集会での発表につながる研究成果を得たい。そのために、自身の研究に集中できる時間をできるだけ確保するとともに、連携研究者である友安一夫氏(都城工業高等専門学校)との討論を緊密に行い、必要に応じて相互の訪問滞在による集中的な討論を行う。
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Causes of Carryover |
以前から続いていた研究代表者の健康状態の悪化が長引いていることに加え、教育負担の増加から連携研究者との研究打合せ出張も実現できず、研究打合せに備えて計上した旅費が多く余っている。一方、論文の投稿や研究集会での成果発表などができるまでに研究が進まなかったので、次年度使用によって余剰となった助成金を活用して、具体的な研究成果を得ることを目指して、引き続き研究活動を行うこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在までに学会出席時の聴講や討議で得た、強制法と巨大基数理論の新たな知識を活かして、連携研究者である友安一夫氏(都城工業高等専門学校)との研究討論を加速する。遠隔地のため、旅費を活用して、長期間もしくは複数回の訪問を行う。具体的な研究成果が得られた場合には、論文投稿のほか、国内外での研究集会での成果発表も行う。研究集会の出席のためにも旅費を使用する。
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Research Products
(1 results)