2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400215
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
生田 卓也 神戸学院大学, 法学部, 教授 (70271111)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 複素アダマール行列 / type-II 行列 / アソシエーション・スキーム / Haagerup set |
Research Abstract |
複素アダマール行列は、絶対値1の複素数を成分に持つ正方行列で直交性を満たす行列である。Ada Chanは、Petersen graphのLine graph(15点)上で、新しい複素アダマール行列を見つけた。Ada Chanは、更に直径3のantipodal距離正則グラフの隣接行列の一次結合で表される複素アダマール行列の位数は、高々16点であることを示した。このことは、複素アダマール行列はantipodal距離正則グラフと相性が良くないことを示している。 私達は、複素アダマール行列と相性の良いアソシエーション・スキームが何であるかを調べるため、van Damのクラス3の対称アソシエーション・スキームの100点以下のリスト(94個の例がある)を用いて、各々の例に対して複素アダマール行列の存在の有無をコンピュータを用いて確認し、8個の例が存在することを確認済である。アソシエーション・スキームの枠組みで複素アダマール行列を組織的に構成する研究は、私達の研究が初めてであり、重要な研究テーマである。 私達は、2013年度に次の結果を得た。① クラス3の対称アソシエーション・スキーム上で、Ada Chanの例とAda Chanの例と異なる別の例を見つけ、これら2つの例を含む無限系列の複素アダマール行列を構成した。位数が2のベキ-1のとき、アソシエーション・スキームの実例がある。② 我々が構成した複素アダマール行列の無限系列は、Haargerup集合を導入することで互いに非同値な複素アダマール行列であることを証明した。③ クラス3のpseudocyclic アソシエーション・スキーム上で無限系列の複素アダマール行列を構成した。④ 25点のクラス4のcyclotomic scheme上で複素アダマール行列を構成した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Ada Chanが見つけた複素アダマール行列を含む無限系列と、Ada Chanの例と異なる新しい複素アダマール行列の例を見つけて、無限系列を構成したことによる。更に、これら2つの無限系列は互いに非同値であることまで証明できた。この論文は現在preprintであるが、近く学術雑誌に投稿予定である。 2013年度に国内の研究集会とワークショップ2つで私達の結果を講演し、更に、海外の国際研究集会で講演した。私達の結果を広くアピールできた。また、2013年3月に本学で研究集会を開催し、複素アダマール行列を含めた離散数学の研究交流を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
① 与えられた複素アダマール行列は連続濃度で存在することが知られている。そこで、私達が構成した複素アダマール行列は、知られている複素アダマール行列で表されないことを証明する必要が出てきた。最近、私達は複素アダマール行列が知られている複素アダマール行列のテンソル積で表されることと、type-II行列の一般化テンソル積が一致することを証明した。我々の無限系列に対して野村代数を決定することで、新しい複素アダマール行列であることを確かめられると予想している。 ② 25点のクラス4のcyclotomic scheme上の複素アダマール行列を構成したので、これを一般の点の位数に対して無限系列で構成する。
|